税理士が開業するとき、自宅で開業するのがいいのか、それとも事務所を借りた方がいいのか、どちらがいいか?
私は事務所を借りた方が良いのではないかと思ってます。そもそも自宅にいると集中できないし、メリハリがつきません。会計士の受験勉強をしてた時も、自宅では全く集中できず、朝から晩まで水道橋のTACの自習室に行ってました。自宅で勉強をちゃんと出来る人もいると思いますが、多くの人は私と同じで無理なんじゃないないかと思います。じゃなきゃ、自習室なんて要らないし、あんなにスタバで勉強する人いないです。
しかし、事務所を借りると蓄えの減るスピードが加速します。私は開業した時、赤坂に8万円のユニットバスの洗面器からちょっと変な臭い匂いのするワンルームマンションを借りてスタートしました。後に、開業した税理士とその友達一人に一緒に借りてもらいましたが、それでも家賃負担は結構大きな負担でした。働いていたので十分な貯蓄があると思っていたのですが、みるみるうちに減っていったので、お客さんを増やさなくてはいけないプレッシャーは相当なものでした。
でも、振り返って見ると、事務所を借りて開業して、結果正解だったかなと思います。自宅開業だったとしても同じように頑張ったと思うけど、お客さんも呼べないし、お客さんのレベルも限定されてしまうような気がするのです。そう言う状態でいつまでも自宅でも自分が求めていた発展は無かったと思うし、遅かれ早かれ結局は事務所を借りることになっていたと思うのです。それよりは、仕事を辞めて定期収入がなくなのにもかかわらず切り詰めて生活をする事が出来なかったため、決して贅沢してなかったけど毎月の生活費の方がよっぽど大きな支出でした。
では、今の仕事量より広めの事務所を借りるのはどうでしょうか。
(事務所の内見に行って諦めた事務所です)
大きな事務所を借りると家賃の負担が大きいので頑張ると言う説も時々聞きます。プレッシャーが大きいからその分頑張り、それで成長速度も加速すると言うものです。確かにある程度はそうだと思うのですが、現実問題それでうまく行くかと言うと、上手く行くよりはいかない事の方が多いような気はします。私の周りでも、家賃の高すぎる事務所を借りてしまって、後に小さい事務所に撤退すると言うのは何件か見ています。その間、頑張るのですが、2−3年やってもったいないと言う事になり、結局撤退しています。それまでの多めに払ってた家賃が無駄になるのでものすごくもったいないです。
大きな事務所を借りようとするのは、そう言う気持ちが原動力となるのでいい事だと思うのですが、具体的な計算が必要です。例えば今5人の陣容だとして14坪の事務所を借りているとします。一人当たりに必要な坪数は2.5坪から3坪と言われていますから、今の状態だとそれなりに一杯ですが、これ以上入らないかといえばそんなことはありません。我慢しようと思えば我慢できます。
例えば今14坪の事務所から引っ越すとすると次の事務所は20坪から25坪くらいの所になります。家賃も20万位は上がります。あとどのくらい売上が増えたら、増えた家賃分はペイしますか?もし月の売上が150万くらいは上がらないとペイしないなら、その150万売上が増えるようになるまでに、今の売上の増加ペースだと売り上げが150万増えるのに何ヶ月必要ですか?
そう考えると、高い事務所を借りるのはやはり慎重にしたほうが良いと言う結論になりそうです。はやる気持ちもありますが、家賃は固定費ですからそう簡単にバーを上げてはいけません。我慢して使ってどうしても我慢できないくらいになった時に引っ越すのが正解なように思います。