テルマエ・ロマエという古代ローマ人がお風呂に入っていたら日本の銭湯にワープしたという漫画があるのですが、この漫画、面白かったので、自分でも買って読んでいました。
その作者のヤマザキマリさんの経験を書いた本です。彼女は17歳で高校を辞めてイタリアに絵の留学に行き、貧乏生活で気持ちがすさみ身を持ち崩した彼と別れ、お子さんを連れて日本に帰ってきた。
イタリア生活ではお金を十分に稼ぐことができなかったので、つらい思いもしたようです。底辺で生活する中で、貧乏が人間性を壊すことも見てきた。逆にお金が無くても素晴らしい人生を送る人たちとも多く出会った。
面白いと思ったのは、現代はお金がすべてだと言う価値観に知らずに染まってしまっている人が多いと言っている事でした。ヤマザキさんはお金がすべてでないと言う考え方で、イタリアに渡り同じようにそのように思っている人たちと交わって生きてきた。
私は精神的な事や文化的な事の為にもお金は重要で、お金がないとその人の心の状態にまで悪い影響が及んでしまうと思っています。仕事やお金は大事ですが、あくまで人生の一部にすぎません。働きすぎて体を壊してしまったり、忙しすぎてプライベートの豊かな人生がなくなってしまうのでは、本末転倒です。が、私を含めて多くの人はそれを忘れてしまうことが多いように感じます。
仕事やお金とプライベートを充実させることのバランスのとり方は重要だなと思います。
この本は波乱万丈な半生を描いた面白い本です。