節税のために保険会社の営業マンから保険商品を勧められる事がよくありますが、必ずしも正解ではありません。節税で勧められる保険商品は、今払った分を経費にして法人税を減らしつつ、将来解約返戻金を受け取るというものです。 解約返戻金は大体80%と90%の間くらいであることが多いです。簡単な計算だけでも保険は損なのですが、実質返戻率などのちょっと変わった言葉が出てくるので、多くの人が誤解してしまいます。単純に考えても、払い込んだ保険料と解約返戻金の差額が保険会社の取り分で、解約返戻金には法人税がかかるので、手残りは少なくなるのです。 ライトグリーンの部分が実際に手元に残る利益ですが、一見して保険を払わない場合の方が多いことがわかります。 毎年100万円の保険料を7年払ったところで解約したとしたしましょう。解約返戻率は85%として計算します。返戻金には法人税が23%かかります。 7年後のキャッシュフローでは、結局少なくなっていることがわかります。
Category: 小さな会社の経理と税金
会計事務所なんてどこも一緒だよ、毎月通帳や売上の資料を送って10日くらいしたら試算表が送られてくるだけ、担当者によってレベルにバラツキがあって、会社の事をあまり理解してくれていると思えない、そんなふうに思っていませんか? 私は違うように思います。今まで色々な会社の帳簿を見てきましたが、利益が出ている会社は会計数値を操作していません。数字を操作してしまうと、自分では本当の姿がどのあたりにあってどれくらい儲かっているか分かったつもりになっていますが、段々現実がわからなくなって来るのです。会計数値をいじる方法はご存知の通り色々ありますが、最初の一歩は減価償却費を計上しないことです。これで簡単に経費が減ります。次に未払いの費用を実際に支払うまで費用計上しないことです。現金主義会計とも呼ばれていますが、未払い費用は支払うまでは外部にはわからないので、簡単に出来てしまいます。 10人を超える会社では、個人の肌感覚で儲かっている儲かっていないの判断をするのはとても難しいです。特に儲かっていない場合ほど、社長の心のなかで儲かっていいて欲しいと思ってしまうので、ちょっと儲かっていないかも?思っても、売掛金の回収が遅いから苦しく感じるだけで会社は儲かっているんだ!とか思いこみたくなるのが人間と言うもんです。 (南アルプス仙丈岳) 会社が苦しくなるのは、多くは現状の理解を間違えるところに原因があります。実際の利益はこれくらい、実際に毎月稼いでいるキャッシュフローはこのくらい、と言うのがきちんとわかっていれば、これ以上のキャッシュフローのマイナスが続けばいつまでに会社が危なくなるとか、多少の誤差があってもそれなりにはわかると言うものです。 会計事務所のサービスは、事後的な記帳をするだけで担当者もうちの会社のビジネスをあまりわかっていない!というのは、ある程度本当ですがいつもそうとは限りません。経費は主要なものは現金主義ではなくちゃんと発生主義でつけてもらい、売上も請求書が発行された日や入金の日ではなく、納品などの売上が発生した日付で記帳してもらうだけで会計数値のレベルが格段にアップします。ついでに向こう半年や1年のキャッシュフローの見込みを作ってもらうだけで、担当者のビジネスに対する理解も上がるので、会計事務所の担当者とも有益な会話が出来るようになるのではないかと思います。多少のコストはかかりますが、それなりの品質のものにはそれなりの価格が必要だと割り切った方が、会社の経営には良いと思います。
個人で個人事業(フリーランス)をしていると、時折「法人化した方がいいのかなぁ。会社にした方が税金安くなるのかなぁ。」という考えが頭をよぎります。 昔は、売上が1千万円を超えたら法人にした方が得だとよく言われました。今は、税金(と社会保険料)だけで考えたら、個人事業の方がだいぶお得です。これを実際に数字を使って確かめたいと思います。 法人にすると売上をいったん会社に入れて、それを事業主は給与でもらう形になります。給与でもらうと2017年では最高で220万円の給与所得控除というものがあり、これを収入から引く事ができるので、所得税の税率が23%の人なら(所得が695万円から900万円)、住民税が常に10%なので、33%の税金、つまり66万円の税金が安くなります。所得(額面の7掛けくらい)が900万円から1800万円の人は税率が33%なので、住民税の10%をプラスして43%になるので94.6万円税金が安くなります。 他方、個人事業の場合には給与所得控除というものはありません。かわりに青色申告特別控除というものがありますが、これは65万円だけです。税率23%のひとなら住民税を入れても21万円しか税金が安くなりません。これだけ見ると法人の方が良いのですが、問題は社会保険料です。 社会保険料は本人負担が約15%、会社負担が15%で合計約30パーセントかかります。仮に額面が80万円だったとすると、社会保険料は月に19万円になります。(30%にならないのは厚生年金の方は62万円で上限があるからです。)40才以上の方は、介護保険料が別にかかるので月の支払いは20万円を超えます。 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h29/h29ryougakuhyou9gatukara もちろん、個人事業主でも国民健康保険に加入するので所得が高い場合は70万円くらいはかかります。また、国民年金は毎月1万6千円ですから両方足すと年間で90万円くらいにはなります。 でも、法人の200万円以上かかる社会保険料と比較すると、給与所得控除がちょっとくらい多くても、社会保険料を入れた支出の合計では会社の方が多くなってしまうのです。 会社は社会保険に加入するのが義務ですから、ひと昔のような社会保険に加入していない中小企業が多かった時代の比較を用いるのは無理です。 簡単に売上が1000万円を超えたら、税金的には会社にした方が良いというのは、すでに昔の話です。 そうすると、法人化するタイミングというのは、税金などの金銭的な損得とは別の次元で考える事になります。例えば、ビジネスが大きくなってきて会社のイメージの重要性になってきたとか、社員を採用する際に個人事業主よりは法人の方がやりやすいなどです。 その他にも、法人の方が会社で自宅を買うと有利とか、将来事業を売りやすいとか、色々な要素はありますが、入り口ではこれくらいの事を考慮すれば十分だと思います。
会社の規模が1−2人から10人規模になってくると、業務の拡大に伴って経理もややこしくなってきます。取引の量が多くなってくるので手ではとてもできないのです。こういう場合、プログラミングを知っていると知らないとでは大きな違いが出てきます。こういうこめんどくさくて大量の処理が必要な時はプログラミング力の出番です。エクセルの関数だけでできる場合も十分ありますが、これくらいの規模に成長した会社の場合社内システムがあることも多いので、取引の生データをCSVで取れる事も多いです。こういう時にエクセルのマクロやプログラミングができると問題が一気に解決できたりするのです。 今まで手で1日以上かけて入力していたようなものが上手くいけば10分で出来るようになります。日常業務は毎月同じような処理が多いので、こういうプログラミングによる時間の節約の積み重ねが、大きな時間の余裕につながります。 あるウェブサイトでの広告業のお客様では、売上を時の経過と共に計上するのですが、1ヶ月分の料金が20万円で、月の途中で掲載が始まった場合には、日割り計算が必要になります。1件なら良いのですが、これが200件あって、全部違う日に掲載が始まっていたら、やっぱりプログラミングが出来ると便利です。エクセルの関数でもできなくもないのですが、ちょっと何かが変わってしまうと最初から手作業でやり直しになってしまったりして、時間が思いの外かかります。システムから生データを取れるのなら、プログラミングが出来ると一気に色々便利になります。 経理の人はプログラミングが出来るだけで、日々の仕事の効率が随分変わると思うのですが、経理の人でプログラミングを覚えようとする人は実際には少ないように思います。 エクセルのマクロの本は一冊買ってきて、30−50時間やれば出来るようになります。今人気のPythonだって100時間くらいやれば出来るようになると思います。たったこれだけの事で(大げさに言うと)自分がこれから経理会計に関わって生きていくなら仕事の仕方が一生が変わるものなので、ちょっと自分に投資するのはますますありのように思います。
私は、会計事務所と言う看板で仕事をしていますが、一口に会計事務所といっても実は提供している役割は複数に及びます。これらは、お客様がお金を払ってくれている実際にニーズがあるものです。誰でもお金は無駄には使いたくないので、人がお金を払ってくれると言うことは実はすごいことだと思っています。これらのサービスメニューは一見地味ではありますが、お客様がお金を払ってくれる付加価値が生み出されているサービスです。 私たちの事務所以下のようなご要望をよく受けます。 会計記録をみて、何かアドバイスをしてほしい。 自社で帳簿をつけるので、その帳簿を毎月きてチェックしてほしい。 給与計算とその振り込みをしてほしい。 予算作成の手伝いをしてほしい。 請求書の発行と送付をやってほしい。売掛金の回収が遅いものは報告してほしい。 銀行振り込みをしてほしい。 支店登記、会社設立登記をしてほしい。 税務申告をしてほしい。 税務アドバイスに乗ってほしい。 支払いや通帳の記録を元に帳簿をつけてほしい。 逆に、私の事務所で積極的にその価値をプロモートしたいと思っている、 「綺麗な帳簿をつける」と言うのはあまりお客様からは言われません。 綺麗な帳簿というのは、お客様からしたらあまり価値のないものなのかも知れません。もしくは、私たち税務会計を日々の仕事にしているものにとっては、綺麗な帳簿というのは、間違いなく価値があるものなのですが、お客様にはあまりその価値が知られていないだけのものなのかも知れません。 確かにお客様から見ると、綺麗な帳簿に余計な手間やお金をかける必要性は薄いかも知れません。帳簿が綺麗でも売り上げは上がらないですしね。 確かにお客様は私たちに比べると税務とか会計については素人です。どのような経理が美しい状態なのかは、一度見ていただかないと納得して頂きにくいと思います。つまり、最初は未経験なので見ないとどのようなものがあるかは想像しにくいと思うのです。つまり、よく教科書的によく言われる「お客様にニーズを聞いても、お客様はニーズを知らない。」と言うのは、一部は本当かもしれません。 ですが、良いサービスは一度体験すればわかります。そのサービスが良いのか、悪いのか。自分に必要なのか、必要でないのか、一度体験すればわかります。お客様は、どのようなサービスがあるのかわかれば、何が自分たちにとって必要なのかはわかるのです。 綺麗な帳簿というのは、綺麗に掃除して整理整頓されたうちのようなものです。綺麗な帳簿は風通しをよくするし、自社の経営状況を適切に表します。 綺麗な帳簿は小さな会社を幸せにするのです。 自分だけのスタートアップから社員2〜3人の事業規模へ、そして10人の規模へと会社が成長するにしたがって、会社の財務・会計部門に求められる能力は変わってきます。しかし、整理整頓された綺麗な帳簿の重要性はずっと変わりません。 目につきにくい分野ではあるかも知れませんが、この分野を私たちの事務所では、綺麗な帳簿の価値をプロモートしていきたいと思います。 では、綺麗な帳簿とは何でしょうか? BSについては補助勘定が全てある。不明な残高がない。 PLは発生主義でついている。支払いは主なものについて未払金を通している。売り上げは売掛金を通している。 請求書などの元となる資料が揃っている。元となる資料に簡単に参照できる。 雑費を使わない。 試算表が月末から10日以内に出てくる。 作成者と別の人がレビューしている。 正確性。 さらに、綺麗な帳簿は生かさないと勿体無いので、 これを、経営の指標に毎月使っている。 毎月、会計事務所担当者の訪問がある、 なども十分な価値になると思います。そう考えると、ITなどで技術が変わっても、提供する価値は昔からあまり変わっていないですね。
春になってきました。無事に確定申告の忙しい時期を終えることが出来てホッとしています。 税務調査で仕掛品の未計上を質問されました。あるコンサルティングのプロジェクトで売り上げが上がっていないのに、コンサルタントの給与が仕掛品として資産に計上されず、費用に上がっていることを言われたのです。 では、この場合に必ず仕掛品に計上をしなくてはいけないのでしょうか。 基本通達を見ると以下の様になっています。 2-2-9 設計、作業の指揮監督、技術指導その他の技術役務の提供に係る報酬に対応する原価の額は、当該報酬の額を益金の額に算入する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が継続してこれらの技術役務の提供のために要する費用のうち次に掲げるものの額をその支出の日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加) (1) 固定費(作業量の増減にかかわらず変化しない費用をいう。)の性質を有する費用 (2) 変動費(作業量に応じて増減する費用をいう。)の性質を有する費用のうち一般管理費に類するものでその額が多額でないもの及び相手方から収受する仕度金、着手金等(2-1-12の(注)の適用があるものに限る。)に係るもの なかなか寛容な規定ではあり、また、企業会計の実務に考慮した規定です。一般の事業会社では製造業でもやっていない限り製造原価報告書を作りません。したがって、未完成のプロジェクトの分の人件費を集計しないことが多いです。ですので、このような指摘(?)をされることが多いと思います。 税法は、税法や施行令などの法律で決まっていない限りは、企業会計のルールに従います。これは法人税法22条にも書いてあります。売上の基準は実現主義、費用は発生主義で計上するのです。あらためて、なぜ通常の企業会計ではサービス業で仕掛品を計上しないことが多いのか考えてみました。 私は長年、税務をやっていて、会計学の基本的な部分がちょっと曖昧になってしまいました。税務をやっていると、税法の規定にばかり目がいってしまい、そもそも論の会計が曖昧になってしまっていたのです。 結論としては、やはり社員の給与は固定費的なものなので、直接原価的な考え方よりは、期間費用であるという考え方が背後にあるのではないかと思いました。 ですので、税務調査でそのようなことを指摘された場合には、法人税法22条に立ち返り、企業会計ではどうなっているのか、また、その際には基本通達2-2-9をよく読んで、その射程がどうなっているのかを検討して、税務調査官の方にその旨を伝えて検討してもらうのが良いように思います。
確定申告終了しました。忙しくはありましたが、なんとか無事に乗り切ることが出来ました。 確定申告が終わったと思ったら、早速次の日から税務調査です(泣)。 税務署にもよるのでしょうが、東京都港区などは法人の数が多いので、個人の確定申告は比較的重要性が低いのだそうです。従いまして、麻布税務署も当然のように2月から3月に税務調査の予定を入れてきます。芝税務署も同じです。 何と言う事でしょう。。 税務調査を受ける時のポイント 税務調査を受ける時のポイントですが、普通はお互いに紳士的に対応します。昔からそうですが、税務署の調査官の方は、他の役所に較べても紳士的な方が多いように思います。会計や税務の立場から、ここは確認しなくちゃダメでしょう、という常識的なところを確認してきます。逆にこちらも変に強く出たり、変な態度をとってもあまり意味が無いように思います。 そうは言っても気を付けなくてはいけないのは、やはり何でもかんでも言うなりになってしまってはいけないという事です。ノルマのようなものは「無い」と表面的には言っていますが、何か申告漏れを見つけて、税金を徴収した方が調査に来る方の評価が良いのは確かなようです。ちゃんとやるべき仕事はちゃんとやろうと言う強い意識を感じます。 大概の場合は、無茶な事は言われないのですが、それでも税金に対する知識がなさすぎると、無意識ではあるのかも知れませんが、言葉は悪いのですがちょっと?な事をやられてしまいます。いわゆる常識的なラインを踏み越えて、ちょっとそれは無理筋なのでないかというような事を指摘事項にさせられてハンコを押させられてしまうこともあるようです(特に個人)。 税務は負担の公平が大事なので、厳しいのは仕方のない事でもありますが、だからといって、言いなりになってしまってもダメなのです。 その辺のバランス感覚は必要だと思います。 嘘はだめ。それとなめてかかると痛い目にあいます。 それと嘘はダメです。絶対わからないだろうと思いこむのも危険です。税務署の情報収集能力はびっくりするものがあります。別に嘘をついていたわけではないのですが、以前、お客さんのオランダの関係会社に日本の国税庁のオランダ駐在の方が現地まで裏とり行ったことがあって、びっくりしたことがありました。そこまでやるんですよ。 また税務署は、取引先に聞き込みに行くことがあります。これは、取引先もびっくりしてしまい今までの信用が台無しになってしまいます。やはり変に隠すのは割に合わないように思います。 元帳の記載はちゃんと見ておいた方がいい 税務調査は会計帳簿を基本にします。よくあるのが、総勘定元帳に処理に迷ったときのメモのようなものが残っていたりすることです。こういう記録は重要視されるので、調査の前は不必要に誤解を招くような記載がないかどうか、チェックするのは重要です。 たったそれだけでも随分違います。 手続き 財務諸表監査に監査手続き書があるように、税務調査でも昔に比べてマニュアル化が進んでいるように思います。税務署にマニュアルがあるかどうかは、直接には確認できませんが、5年前に比べても格段にきっちりしているように感じます。 主に見る項目は: (1)期末の翌月の売上を確認する。商品販売なら実際に受渡しがあった日を、宅急便などの伝票を見て確認する。サービス業なら、その売上の元となるサービスの提供がいつ終わったかを確認する。 (2)消費税の区分が正しいかを確認する。例えば社宅の賃貸借契約なのに課税仕入にしているのは間違い。 (3)従業員に外国人がいる場合は、その人が居住者かワーキングホリデー・ビザなどの短期のビザで来ている非居住者かを確認する。海外に支払っている場合には、源泉が必要か、租税条約の届出書を出しているかを確認する。 (4)給与台帳をみて、架空の従業員がいないかを確認する。雇用契約書や振り込みの記録を確認する。 (5)経費をみて、内容が個人的な費用(例えば個人の習い事など)かどうかを確認する。 他にも色々あって会社のやっている事業内容によっても大きく異なります。でも、これらの事は最低限くらいに思っておきましょう。 結論 節税は大事で必要だと思うのですが、嘘や隠すのはダメです。せめて、解釈が分かれるくらいのところにしておきましょう。
帳簿をきれいにするとビジネスが上手く行くし、自分も幸せになるというのが、私が10年以上税理士業をやって来た上での経験論であり、持論です。では、帳簿をきれいにするにはどうしたらいいか?また、そもそも、帳簿がきれいというのはどういう状態をいうのか? あんまり、ハイレベルな事をいきなりやっても疲れて挫折するだけなので、できることから始めるのがいいと思います。 (1)チェックリストを作る まずは、エクセルでチェックリストを作りましょう。チェックリストは、最初は2-3項目のすごく簡単なものでもいいです。まず、チェックリストを作って毎月の締めで、何をチェックしたのかを記録するようにすると、だんだん、チェックリストが充実してくるので、モチベーションも保てます。月次の締めが終わった日付が入るようにするといいと思います。 (2)銀行残高を合わせる・借入金の残高を合わせる まずは、簡単なことですが、通帳を記帳するか、インターネットバンキングをやっている場合は、残高がわかるところを打ち出して、残高を合わせます。チェックリストには、チェックを忘れないようにしましょう! (3)BS科目の残高にはすべて補助勘定を設けて、残高を全部どれかの補助勘定に割り当てる。 BSの残高は残って繰り越されていくものですから、それが何であるか一目でわかるように補助科目をつくって、残高をそれぞれに振り分けましょう。ここでポイントとなるのは、ちょっとわからないものを、「その他」とか「指定なし」みたいにして、あまり後回しにしないことです。 例えば、売掛金でしたら、残高はお客様ごとに把握するのがいいと思います。100件や200件くらいあっても、補助科目はすべてのお客様ごとに作るのがいいと思います。そして、残高を毎月確認すること。よくあるのは、お客様からの振込の際に銀行の振込手数料が864円引かれているのに、入金した金額しか残高から引かないことです。そうすると、翌月に売上が立った時に、補助残高の内容が、その売上プラス864円になってしまうので、金額が不正確になってしまうのです。これが何か月も続くと塵も積もればで帳簿が汚くなっていきます。相手を銀行手数料にしてきちんと落としましょう。 補助勘定が多すぎて一個一個作るのが合理的でない場合は、表を作って、かならず表の合計金額と勘定の残高を合わせるようにするのも、一つの方法です。 (4)源泉所得税と社会保険料の預り金はきちんと合わせる ここは、給料に関係する部分なので、計算があまり適当だと従業員の皆様からの信用に響きます。源泉所得税は、7月10日と1月20日の源泉所得税の納付の時点で一度0円になっている様にしましょう。何かの理由で0円になっていない場合は、相手が社員の給与の支払額である場合は過誤徴収、相手が納付先である税務署の場合は過誤納付と理由を分けて補助勘定を作り、残高をそこに移しましょう。 社会保険料は住民税も同じです。社会保険料の預り金は、社会保険料が引き落とされる月末に0円になるように、住民税は納付時点の翌月10日には残高が0円であることを確認しましょう。 この3つも大事なので、チェックリストに追加をお願いします。 毎月の決まった経費項目(売上も) 毎月の給与は人別で、経費も毎月ある家賃や電話代、水道代、インターネットなど補助科目を作りましょう。毎月の締めのさいに、横で比較すれば何が計上漏れになっているか、一発でわかります。 誰か第三者にチェックしてもらう事 このような項目をチェックリストにしてちょっとずつ増やしていくと、チェックリストが充実してきます。が、これをいつまでも一人(例えば経理の担当の方)だけでやると、どこかで段々めんどくさくなってきて、チェックがおざなりになってきます。ビジネスの規模がある程度になってきたら、誰かにチェックをしてもらうことが必要です。 税理士か誰かとチェックリストシェアして、一緒にチェックしてもらうと、帳簿が綺麗によみがえります。
日本で起業して会社を作る場合に、現状では選択肢は2つです。株式会社と合同会社。 株式会社の方が良く知られた形態ではありますが、フリーランスの方が法人を作る場合には、合同会社を勧めいます。しかし、合同会社はただ小さい会社だけのものではありません。大きな資本投入を伴う太陽光発電施設などのプロジェクトのためのビークルにも多く使われています。 1 費用が安い。 まず、設立費用が圧倒的に安いです。 株式会社の設立には公証人による定款の認証が必要です。これが、5万円。その他に、登録免許税がかかります。これが、15万円。合同会社では、認証は必要ありません。また、登録免許税は6万円です。 2 資本金を1/2以上にする必要がない。 増資の内、半分以上を資本金にしなくてはいけないというルールが合同会社にはありません。したがって、何十億という資本を投入する場合に、資本金を1円、資本剰余金を残り何十億という資本構成にできるため、登録免許税が最小限の3万円で済みます。株式会社の場合は、資本金の増加額の0.7%に登録免許税がかかるので、10億円が資本金になった場合、700万円の登録免許税がかかりますが、合同会社ではこれがありません。 3 その他の、法人税に関する規制は株式会社と一緒。 役員報酬を毎月定額にしなくてはいけない、そうでない場合は費用としてカウントしないなどの規定は、全部、合同会社でも一緒です。特に、合同会社だから不利になるという事はありません。 こう書いてみると、特に株式会社である必要がある特別な場合を除いて、合同会社でほんとに十分だと思います。 ************************************************* 最近、株が下がってきました。長年持っていたFXもついにマイナス圏に突入です。。 最近、教えていただいた話なのですが、株は同じ10万円を勝つのと負けるので、負ける方が3倍大きく感じるそうです。確かにそうで、10万円勝っててもなんとも思いませんが、10万円負けるとショックですものね。 (介護保険について少し学習しています。)
税務署は組織としてすごく真面目に仕事をされていると日々思っているですが、たまには間違えることもあるかも知れません(私が間違えているのかも知れません)。 先日、個人のお客様で税務署に調査に入られた方がいました。この方は、相続した土地について、建物の所有者に地代を払ってもらうように請求しているのですが、払ってもらえません。 それで、この方は、建物の所有者を訴えました。建物の所有者(の弁護士)からの回答は、先代の時から土地の使用は無料である、いわゆる使用貸借なので、地代は発生していないとのことでした。 この争いの最中になぜか税務署が調査に入ったのですが、税務署は納税者を説得して(?)、修正申告書にサインさせてしまいました。しかし、所得税の基本通達には地代の存否を争っている時は、所得は発生しないと書いてあります。 税務署の方は、この通達の読み方を間違っているか、無視しているようなのです。税務署のその調査を担当した方に電話をして、相談をしました。その方の解釈は、現在、納税者は裁判で地代の支払い請求をしているので、所得は発生しているとのことでした。うーん。。 そこで、私たちは更正の請求を提出しました。 これで、一応、判断は調査を担当された当事者から、税務署内の別の第三者に委ねられることになりました。このように、税務調査での判断と異なる更正の請求を出す機会はあまりないので、税務署がどのような判断をするのか、今待っているところです。 ちなみに、最近、国税通則法が改正されました。更正の請求を認めない場合には理由が付記されることになっています。どういうことになるのでしょう。 (乾門:皇居ランニングにて)