木暮太一さんの「どうすれば売れるのか?」という本を読みました。タイトルからは誤解してしまうかもしれませんが、売り方の本ではなくて、どう売れる商品を「作るか」と言うことについて書いた本でした。良い本だと思いました。 ざっくり言うと売れない商品には以下のような3つの特徴があるそうです。 1)スペック・要素を押してしまう 2)こんな事にも使えますを訴求する 3)ニーズ・ウォンツを考えてしまう。(ニーズから考えると、すでに存在している競合の多い商品に行き着いてしまうからだそうです。) それとは逆に、売れる商品には、 1)お客さんにベネフィットがある、 2)それを売る資格(実績・再現性に対する信頼)がある、 3)目新しさ 4)納得感 があるそうです。私はマーケティングの専門家ではありませんが、売れないものは無理して頑張っても売れないと言う事には概ね賛成です。「概ね」と言うのは、私の実感から言っても売れている会社はやっぱり営業に力を入れています。商品が良ければ営業しなくても売れると言うのは理想論であって嘘です。現実的ではないので自営になったばかりの人は信じてはいけません。すぐに死んでしまいます。 でも、プッシュ型の営業は今時ほとんど受け入れられません。顧客はネットで競合他社を比較できるので、良くないものを無理に売ることはできないのです。 で、その商品設計をどうするかですが、ここは社長にしか出来ません。人によって強みが違うので、外部のコンサルタントに商品設計をやってもらうと言うのは無理があるように思います。私がいる税理士・会計士なんかの業界でも皆がそれぞれが差別化をはかるために日々努力しています。私も英語の勉強をしたりシステムを作ったりするなど自分の特徴をつけるように頑張っています。(システムを作る方は、いまいち自分の作りたいものを作ることに重心が行ってしまっている様で、お客様のどの様な課題を解決できるかにきちんと対応できていないのでなかなか結果になっていません。)どの業界でもそうだと思うのですが、差別化が出来ていないと、薄利多売で働けど働けど我が暮らし楽にならざり状態になってしまいますよね? 差別化は具体的には、ニッチを選ぶか、その分野でナンバー1を目指すかのどちらかでしょう。どちらを選ぶにせよ大変な道のりで楽な道ではありませんが、どっちかをやらないと経営的にもなかなか利益が出にくいと思うので、自営業の場合やっぱりやるしかないのではないでしょうか? 大変大変とは言いますが、個人的な感想ですが、何でも地道にコツコツやっていくと、いつの間にか、それなりに驚くような実力がついている事が多いように思います。継続は力なり。とりあえず何か目標や分野を決めて諦めずにコツコツやってれば何とかなりますよ。きっと。。 販売の方法として、最近では(と言っても既に相当経っていますが)、コンテンツ・マーケティングと言うものが良く話題にのぼります。中小企業がコストをかけずに営業を強化するには、これがベストっぽいように思います。 自営業や中小企業の社長はこの二つをやる他に、毎日の業務もやらなくてはいけないので、これら全部を毎日同時にやるのはかなりハードルが高いです。とてもじゃ無いけどよほどたくさん働くか効率的にやらないとやり切れません。 とりあえずこれに対する私なりの現状での解答は、「何とか役割分担できる方法を探す」です。特に業務の部分は繰り返し的な作業も多いと思うので、この部分をマニュアル化して人に任す。これしか無いと思います。人間は、能力も与えられた時間も有限なので、あれもこれもやろうとするとどれも中途半端になってしまいます。なので、出来るなら人に分担してもらう方が良いのです。 それにマニュアル化して人に任せた方が、業務としても安定感が増すと言うのはあると思います。人間、風邪を引くこともありますが、そんな時でも休めるようになりますし、それでも業務はちゃんと回ります。自社の経理とか、請求書を作って送るとか、支払いをするとかそう言う本業の本質とは別の日常業務も人に任せるのが私なりの一つの方法です。その時間を本来の業務に使えるので、アウトプットの価値も上がる様な気がしますし、その時間を商品設計と販売活動にも使える様にもなります。 私の思う好循環は、中小企業や自営業の社長は商品設計する時間を十分に取れるほどに日々の業務をマニュアル化して人に任せて、その時間を差別化のための自社の商品開発や勉強に当てることです。そうする事でますます自社の商品を差別化する事が出来るので利益率が上がると言うものです。そうなる為にもできるだけ、日常業務はマニュアル化して人に任せて、自分は商品開発と勉強と販売活動をするべきだと思っています。
Category: 事業の成長・経営
ビジネスとして成り立つのかどうかと言う疑問はありますが、事業再生M&Aと言うコンサルティングのやり方があるそうです。そのコンセプトは簡単で、売れそうもない業績不振の会社を再生させて、企業価値を上げて売却すると言うことです。業績がよくない中小企業にとっては夢のような話です。そんなことが本当にできるのでしょうか。 企業再生と言うのは難しくてかっこよく聞こえますが、その手法は概略で見る分にはそれほど複雑なものではありません。一つは管理会計をきちんとして、採算部門をきちんと把握することです。少し古い会社だと、この経理がどんぶりであることが少なくありません。どの部門が利益が出ているのか、どの商品が赤字なのか良くわかっていないことが少なくありません。経費を各部門や商品に分けて配分して売上と対比するので手間がかかるのですが、これで得られるものも多いのです。 社内の経理の人も会計事務所もこう言うのは手間と時間がかかるので嫌がることが多いと思いますが、やれると得られるものも大きいです。大変ではありますが、一回だけでも継続する仕組みを作れれば、あとはある程度は自然に回るようになります。
個人で個人事業(フリーランス)をしていると、時折「法人化した方がいいのかなぁ。会社にした方が税金安くなるのかなぁ。」という考えが頭をよぎります。 昔は、売上が1千万円を超えたら法人にした方が得だとよく言われました。今は、税金(と社会保険料)だけで考えたら、個人事業の方がだいぶお得です。これを実際に数字を使って確かめたいと思います。 法人にすると売上をいったん会社に入れて、それを事業主は給与でもらう形になります。給与でもらうと2017年では最高で220万円の給与所得控除というものがあり、これを収入から引く事ができるので、所得税の税率が23%の人なら(所得が695万円から900万円)、住民税が常に10%なので、33%の税金、つまり66万円の税金が安くなります。所得(額面の7掛けくらい)が900万円から1800万円の人は税率が33%なので、住民税の10%をプラスして43%になるので94.6万円税金が安くなります。 他方、個人事業の場合には給与所得控除というものはありません。かわりに青色申告特別控除というものがありますが、これは65万円だけです。税率23%のひとなら住民税を入れても21万円しか税金が安くなりません。これだけ見ると法人の方が良いのですが、問題は社会保険料です。 社会保険料は本人負担が約15%、会社負担が15%で合計約30パーセントかかります。仮に額面が80万円だったとすると、社会保険料は月に19万円になります。(30%にならないのは厚生年金の方は62万円で上限があるからです。)40才以上の方は、介護保険料が別にかかるので月の支払いは20万円を超えます。 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h29/h29ryougakuhyou9gatukara もちろん、個人事業主でも国民健康保険に加入するので所得が高い場合は70万円くらいはかかります。また、国民年金は毎月1万6千円ですから両方足すと年間で90万円くらいにはなります。 でも、法人の200万円以上かかる社会保険料と比較すると、給与所得控除がちょっとくらい多くても、社会保険料を入れた支出の合計では会社の方が多くなってしまうのです。 会社は社会保険に加入するのが義務ですから、ひと昔のような社会保険に加入していない中小企業が多かった時代の比較を用いるのは無理です。 簡単に売上が1000万円を超えたら、税金的には会社にした方が良いというのは、すでに昔の話です。 そうすると、法人化するタイミングというのは、税金などの金銭的な損得とは別の次元で考える事になります。例えば、ビジネスが大きくなってきて会社のイメージの重要性になってきたとか、社員を採用する際に個人事業主よりは法人の方がやりやすいなどです。 その他にも、法人の方が会社で自宅を買うと有利とか、将来事業を売りやすいとか、色々な要素はありますが、入り口ではこれくらいの事を考慮すれば十分だと思います。
世の中、こちらの理由とは関係なく辞めてしまう方もいますが、一度は入社していると言うことは、一度はこの事務所でいいと思ってくれていたはずなので、その気持ちが変わってしまったことに残念ではあり責任も感じます。 会計事務所に限りませんが、採用は100万、200万円単位で業績に影響する一大プロジェクトです。中小企業にとっては小さな金額ではありません。採用した方が3ヶ月から半年で辞めてしまえばそれまでの採用と教育にかけた時間とお給料はパーです。入った方も無駄な時間を過ごしてしまうことでしょう。 それでも数ヶ月で結論が出るのならいい方で、1年−2年くらいで辞めてしまうとお互いに痛手が大きいです。会計事務所としてもやっと投資の期間が終わってきて、これからは戦力だなと思っていたところで辞めてしまうので、大きな誤算になってしまいます。事務所を大きくしようとしている場合、人が育ってくれる必要があるのですが、また1−2年前からやり直しです。働く方も無駄な1−2年を使ってしまったことになります。この短期間で人が辞めてしまう場合に問題になっているのは、残業が多くて自分の時間が取れない、勉強の時間が取れない、職場の雰囲気が悪い、のような、代表の自覚と決意次第では比較的短期で解決可能な環境要因のような気がします。 さらに深刻と思われるのが3年以上勤めていた方が辞めてしまう場合です。これは、事務所の体制や給与の決め方、上がり方、その先の組織の成長速度など、辞めた方は、居心地や短期の給与などは許容範囲だったとしても、将来的な自分のキャリアプランと比べて見てこれはダメだ、自分の思っている将来を実現できないと思って辞めていくわけです。 これは問題で、事務所としても、組織の成長と面白い仕事や責任と自己の成長が感じられるポストの創造、定期的な昇給制度、属人的でない人事の仕組みなどを作っていく必要があると感じます。 人が定着してくれるかは、そう言う受け入れる側の組織をどう改善していくかと言う問題もありますが、逆に求職者が就職先に求めていると、採用する側が求めているものがミスマッチしていないかを見極めることも重要だと思います。つまり採用する側は大学受験と同じで、できるだけ偏差値の高い人や資格を持っている人などの「スペック」で判断しがちでしたが、これだけで採用を考えているといつまでも高いコストを払い続ける事になってしまいます。 その人が就職に求めているものが何かをちゃんと理解して(無理だとしても、せめて、しようとして)、そこが採用しようとする側の理由とマッチしているかを見極めることが大事なのです。 私も資格や英語力などのスペックをポジティブ要因として、転職回数などのマイナス要因を差し引いて採用を考えていましたが、何となくそれは間違いであったと感じています。そこが上手くマッチングしていないと、結局1ー2年で辞めてしまうのです。特に学歴は会計事務所としては、一定以上あればそれ以上はいりません。それよりは、将来、税理士になりたい、独立したいと言うような方を採用した方が、会計事務所に事業会社の経理の修行として入ってきた方に比べると長くいてくれます。 私のお客様を見ていてもそうなのですが、出身大学が素晴らしい、語学がとても上手、と言うような方が1−2年で退職してしまう事例が散見されます。これは、すなわち、会社の体制の問題というよりは、お互いが相手に何を求めるかという意味での相性の問題と考えた方が良さそうです。 自戒の意味での記事でした。
私たち会計事務所からしても、物販業は小売も卸売も共に手間がかかり、かつ、正しい数字を出すのが大変な業種の代表格です。しかし、大変だからといって、その経営状況は必ずしも十分な利益が出ていないところも多く、その状況を反映してか手数やかける時間の割には十分なフィーをいただけないことも多いです。まさに物販業の会計は、会計事務所からしても課題ではあるのです。 物販業は在庫の管理が必要なため、毎月の会計処理も手間がかかります。毎月末の在庫の金額を把握できないと売上原価が正しく計算できないので、正しい粗利益が出せないのです。ところがこの在庫の計算の仕方ですが、一つ一つの商品について、単価と期末の数量の把握が必要です。単価の計算も、個別の商品ごとに金額を把握する個別法から、平均法や先入先出法など色々あり、とても手では計算できるものではありません。商品の数が増えてくるとエクセルでも難しくなってくると思います。まさに、在庫の把握と計算は「めんどくさい」のです。 しかも、中小企業においては、在庫の管理が経営の一つの肝であったりします。輸入業などにおいては商品を注文してから手元に到着するまでに1ヶ月くらいかかることもあります。在庫が切れると注文に答えられなくなるので、売り上げを逃してしまいます。逆に在庫が多すぎると資金を無駄に圧迫します。 在庫管理は小売業においては経営の肝の一つです。しかも人間が手で計算するのでは、とてもやりきれない。これはまさにコンピュータの出番で、いかに自分のビジネスにあったソフトを使うかが大事です。 在庫管理ソフトにはいくつか有名なものがあります。私が知っている範囲でも、弥生販売、蔵奉行、PCA販売など色々あります。在庫管理は常に販売とセットになるので、請求書機能がついているものがいいと思いますが、これらは全部請求書の販売機能がついています。 また、販売管理では、売掛金の回収状況の管理や、売れ筋商品の把握、どのお客様にどれくらい売れているかなどの情報が知りたくなります。弥生販売などでもその機能はついているのですが、今度は逆にそれをきちんと使いこなしている会社や会計事務所も少ないと思います。 これらの機能はお客様に必要とされているので、それぞれのお客様のビジネスの状況に合わせて上手く提供できる会計事務所やコンサルタントにはビジネスチャンスがあるのではないかと思います。
忙しくて年中バタバタしていて利益の出ていない会社は自分の業績管理ができていない場合が多いです。こう言う会社は帳簿がきちんとつけられていないことが多いです。 私も経験があるのですが、忙しいと記録をつけることがめんどくさくなります。そうすると、どの仕事が利益が出ていて、どの仕事が利益が出ていないのかわからなくたって、とりあえずどの仕事も受けるみたいになって、仕事の量にアップアップになってしまうんですが、とりあえず頑張ってその場を乗り越えてなんてやってずうーっと忙しいままになってしまいます。 会計記録は、自分や他のスタッフの給料、社長の経費の使いなどあまりおおっぴらにしたくない秘密のかたまりです。 なかなか人に任せられません。身内であってもなかなか大変です。ましてや社員の方に任せるなんて! それでも人に任せてしまうのがいいのです。そして、中身を定期的に確認すること。そして実際にそのデータを使うこと。定期的な売り上げは少しずつでも増えているのか、減っているのか、人件費はどうか。単発的な利益で赤字をかろうじて免れているのか、月次の売り上げできちんと利益が出る体制になっているのか。 売掛金の回収はちゃんとできているか、キャッシュフローの見通しはどうなっているか。数ヶ月先に大きな借入金の返済はないか。 売り上げや経費は予算どうりか、予算どうりでないとすれば理由は何か。理由がわかったとして、打つ手はあるのか、ないのか、実際には何をすればいいのか。 見ての通り会計記録は、経営のかたまりです。数字を見ると経営が見えてきます。 人数が2−3人を超えてきて経営をきちんとやりたいと思ったら、業績をみて利益をきちんと出したいと思ったら、会計記録をきちんとつけるのは思わぬほどに効果があるかも知れません。
営業にも何かセオリー的なものがあるのでは無いか、これをやっていれば大筋で外していないと言えるような方法を探して考えたいと思います。極端な言い方をすると科学的もしくは系統だった販促方法は何かを考えて、書いて文書にしてみることが目的です。 多くのマーケティングの本ではポジショニング的なことを書いている マーケティングの本を読むと、多くは人にはマネのできないニッチな商売をするとか、無理な営業で消耗するよりは顧客のニーズに合うような商品やサービスを提供するべきだとか、ポジショニング的なことが書いてあることが多いです。 確かに、資産税を専門にするとか国際税務に強くなるとかM&Aとか、どこを専門に持っていくかと言うポジションニングの話は重要であるとは思うのですが、独立したばかりの小さな会計事務所にとっては、それとは別に、どうやって営業したらいいのか、今のお客さんをどうやって獲得するのかの方がよっぽど緊急で重要な課題だと思うのです。 独立したばかりの税理士や会計士には最初にどこに自分の身の置き場所をどこにするかも重要ですが、具体的に営業のやり方がわから無いから教えて欲しいと言う人のほうが大半だと思います。 確かに、中期的にはどこの分野に自分を置くかはとても重要だ、と身を以て感じます。若い時に身につけた不動産や証券などの専門知識が、記帳代行などのコモディティ的な知識に対して、収入や単価、将来の事業の規模感を規定してしまうことは事実だと思います。 そう考えると、ポジショニンは戦略で、営業の仕方は戦術の一つに過ぎないのかもしれません。戦略の方が中期的には絶対重要ですが、私たちは今の話である営業の話もききたいですよね? 営業は何をしたらいいの? チラシやDM 私もやりましたが、コストのわりに効果がありません。1000枚配っても、反応は1件くらいで、それも仕事に繋がることはありませんでした。 異業種交流会など これも、これだけでうまくいくことはありません。 ブログ・SNS 私の経験ではこのルートはほとんどダメでした。きっとかける時間がとそれに伴う記事の数が足りないのでしょう。あてにすると新規開業の場合などは、開業資金が底尽きて干上がってしまうかもしれません。ブログはやったほうがいいと思うのですが、それは、すでに自分を検討していただいているお客様に自分を知ってもらうと言う意味で、これのみでやって来ることを期待しないほうがいいかもしれません。 紹介 私の事務所の場合、新規のお客様の95%は紹介でやってきています。これが他の士業や中小の専門的サービス業と比べて、一般的なのか、それとも結構違うのかはわかりません。ただ、同業の他の人たちと話しても、ホームページを見て飛び込みでやって来るお客様はこの商売では圧倒的に少数です。税理士の新規顧客はほとんど紹介でやって来るのです。 ここでマーケティング的な質問です。現在のところ、新規のお客様のほとんどがお客様経由の紹介でやって来るとすると、営業を強化するには何をすれば良いでしょうか? 1)別のルートを考える。例えば、セミナーをやってみるとか、ネットでの宣伝を増やすとか、紹介以外の方法をやる。 2)顧客の紹介がこれまで以上に増えるように、こちらの方から何かできることがないかを考える。 3)人と違う何かをやる。 (1)がそれなりに大変で、(3)がポジショニングの話だとすると、(2)で何か出来れば黄金の方程式になる。 最近読んでいた本でこれ良さそう!と思った本にセス・ゴーディンの「パーミッション・マーケティング」という本がありました。まだ全部読んでいたいのですが、大量生産・大量消費の時代のマスメディアでの広告に対して、SNSの時代のマーケティングについて具体的なことが色々と書いています。 セス・ゴーディンの本は、他にも「Dip」 や、「Purple Cow」を読みました。どちらもとても良い本で、私はこの方の本は結構好きです。DipでもPurple Cowでもビジネスのやり方や考え方についてのヒントが色々あり、特にDipに書いてあるは実際の行動にしたいと思っています。Purple Cowはどちらかと言うと宣伝の仕方の本だと思うのですが、こちらも随分参考になりました。 しばらくはこの「パーミッション・マーケティング」を意識的にやっていこうと思います。
販促は重要 中小企業のマーケティングはどうすればいいのか?テーマが大きすぎますが、ビジネスをする上で売上は絶対に必要で、そのためには、ほとんどの中小企業ではこのテーマは避けては通れません。 かく言う私も新規の顧客獲得にはどうしたらいいのかいつも頭を痛めているところです。 きっちり仕事をしていれば既存のクライアントが新しい顧客を紹介してくれると言うのも事実です。商品やサービスがよければ何もしなくてもお客さんが来ると言うのも、部分的には事実でしょう。 しかし、ビジネスをやった事のある人なら誰でも肌で感じざるを得ないことですが、営業やマーケティングなどの販促活動が売上に大きく影響があることは、否定出来ない事実でしょう。そう、直接的であれ間接的であれ販促活動は重要なのです。規模の拡大でも適正な利益の確保でも、新しい潜在顧客層への働きかけは必要なのです。 販促には何をしたらいいのか 実際問題、自分の営業でも何をしていいのかわからない人が多いのでは無いでしょうか。私もよくわかりません。誰しも不動産屋さんのように誰かれ構わずリストの上から順番に電話をかけまくるような営業電話はやりたく無いと思いますが、無理に売るような営業でなくても、営業と言う言葉を使わずに、売れるような仕組みを作るマーケティング的な活動は必要だと思います。 ブログやツイッターなどのSNS ブログやツイッターは認知を上げて、かつ、どのようなサービスをして提供しているかを、個人の性格や考え方も含めて知ってもらえるので、中小の専門職にはかなり適しているメディアだと思います。問題は、相当にやらないと問い合わせ等のコンタクトに結びつかなさそうなところです。私のブログの場合は、現在、始めてから2年くらいで平均して3日に一度くらいの更新をしていますが、日に100PV超くらいしかアクセスがありません。それでも1日に100ページも見てもらうなんて凄いことだと思うのですが、ブログ経由で来られたお客様は、この2年くらいで多分一件もありません。ブログの内容が販促とマッチしていないのか、書いている本数が足りないのでもう少し続ければコンタクトが増えてくるのか、そのどちらか不明ですが、いずれにせよ、コストや時間に見合った成果が出ていないのは確かです。 紹介 そのほか、税理士というサービスの内容が、どちらかと言うとブログよりは口コミ、紹介に向いていると言うことがあるかもしれません。確かに、私が他の士業、例えば弁護士を探す場合にネットで探すと言うことはあまりなさそうで、やはり何らかのきっかけで一度お会いしたような方にお願いすると思います。私の事務所で最近新しくお仕事をいただいたお客様のルートを数えてみたのですが、10件のうち、9.5件は紹介でした。 もし、このルートのお客様を増やそうとするなら、仕事をきっちりやると言うのが基本になると思うのですが、そもそも最初のお客様は誰から紹介してもらったらいいのか? また、それだと結局、商品やサービスがよければお客さんが来る!と言っているのと同じで、何もしていないのと同じです。ちょっと受け身すぎるような気がします。 でも、紹介が最強だとしても、紹介をしていただく確率を増やすためにはどうしたらいいのでしょうね。やはり、あちらこちらの勉強会や集まりに顔を出すくらいしか思いつきません。でも、異業種交流会みたいなのは、私も以前に何回か出たことがあるのですが、まともな結果が出たことは無いです。 紹介会社 私の事務所では使っていませんが、ありのような気もします。世の中では紹介会社のフィーが高すぎると言いますが、一度の支払いですむなら、数年以上お付き合いすることになるのであれば、十分にペイすると思います。問題は、紹介会社は紹介して何ぼなので、ヘッドハンターや不動産会社の仲介のように、お客様の属性とこちらの提供できるものがマッチしているかどうかを全然考慮していない場合が多いのが難点です。 量が大事 麻雀でもパチンコでもポーカーでもリターンの期待値が1よりもわずか1%でも高いものがあれば、できるだけ高速に回して回数をこなすのが、期待値を最大化するベストの方法です。営業やマーケティングも同じ。ブログやTwitterでつまらないことしか言えないとしても、期待値を上げていくにはやり続ければいいのかなと思いました。ほんのわずかの効果しかなかったとしても、続けていれば期待値は上がっていきます。コストパフォーマンスは悪いかもしれませんが、初期のうちは、やってやってやりまくる、と言うのも十分にいい作戦かもしれません。そのうち、結果を見つつ微調整していけばいいのです。 うーん、営業は難しいですが、それでもやらざるを得ないので、いろいろ勉強したいと思います。
10年ぶりくらいにビジョナリー・カンパニーという本を読んでいます。以前に読んだときの内容を全く覚えていなかったのですが、多分それは自分に全く響かなかったからです。 今回も出だしはあまり面白くなかったのですが、前よりは面白く読めてます。最初の章の主張は、ビジョナリー・カンパニーはその会社の製品ではなく、良い製品を作り出せるような会社そのものであると説いてます。 なるほど。そうすると、企業のレベルでそうなら、個人のレベルでも、まずは、ヒット商品を作るよりは、ヒット商品を作れるような能力が大事ということかもしれません。ソフトウェアなんかでも、他人様が欲しいと言ってくれるようなヒット商品を作るのは、アイデアも必要で大変ですが、技術力を伸ばすのであれば、地道なぶんだけわかりやすいです。 サービスやソフトを作り出していく上で、知識や経験値を増やしていくと言う視点もあると考えると気が楽なので、そう言う風にも考えていきたいと思います。
私は、会計事務所と言う看板で仕事をしていますが、一口に会計事務所といっても実は提供している役割は複数に及びます。これらは、お客様がお金を払ってくれている実際にニーズがあるものです。誰でもお金は無駄には使いたくないので、人がお金を払ってくれると言うことは実はすごいことだと思っています。これらのサービスメニューは一見地味ではありますが、お客様がお金を払ってくれる付加価値が生み出されているサービスです。 私たちの事務所以下のようなご要望をよく受けます。 会計記録をみて、何かアドバイスをしてほしい。 自社で帳簿をつけるので、その帳簿を毎月きてチェックしてほしい。 給与計算とその振り込みをしてほしい。 予算作成の手伝いをしてほしい。 請求書の発行と送付をやってほしい。売掛金の回収が遅いものは報告してほしい。 銀行振り込みをしてほしい。 支店登記、会社設立登記をしてほしい。 税務申告をしてほしい。 税務アドバイスに乗ってほしい。 支払いや通帳の記録を元に帳簿をつけてほしい。 逆に、私の事務所で積極的にその価値をプロモートしたいと思っている、 「綺麗な帳簿をつける」と言うのはあまりお客様からは言われません。 綺麗な帳簿というのは、お客様からしたらあまり価値のないものなのかも知れません。もしくは、私たち税務会計を日々の仕事にしているものにとっては、綺麗な帳簿というのは、間違いなく価値があるものなのですが、お客様にはあまりその価値が知られていないだけのものなのかも知れません。 確かにお客様から見ると、綺麗な帳簿に余計な手間やお金をかける必要性は薄いかも知れません。帳簿が綺麗でも売り上げは上がらないですしね。 確かにお客様は私たちに比べると税務とか会計については素人です。どのような経理が美しい状態なのかは、一度見ていただかないと納得して頂きにくいと思います。つまり、最初は未経験なので見ないとどのようなものがあるかは想像しにくいと思うのです。つまり、よく教科書的によく言われる「お客様にニーズを聞いても、お客様はニーズを知らない。」と言うのは、一部は本当かもしれません。 ですが、良いサービスは一度体験すればわかります。そのサービスが良いのか、悪いのか。自分に必要なのか、必要でないのか、一度体験すればわかります。お客様は、どのようなサービスがあるのかわかれば、何が自分たちにとって必要なのかはわかるのです。 綺麗な帳簿というのは、綺麗に掃除して整理整頓されたうちのようなものです。綺麗な帳簿は風通しをよくするし、自社の経営状況を適切に表します。 綺麗な帳簿は小さな会社を幸せにするのです。 自分だけのスタートアップから社員2〜3人の事業規模へ、そして10人の規模へと会社が成長するにしたがって、会社の財務・会計部門に求められる能力は変わってきます。しかし、整理整頓された綺麗な帳簿の重要性はずっと変わりません。 目につきにくい分野ではあるかも知れませんが、この分野を私たちの事務所では、綺麗な帳簿の価値をプロモートしていきたいと思います。 では、綺麗な帳簿とは何でしょうか? BSについては補助勘定が全てある。不明な残高がない。 PLは発生主義でついている。支払いは主なものについて未払金を通している。売り上げは売掛金を通している。 請求書などの元となる資料が揃っている。元となる資料に簡単に参照できる。 雑費を使わない。 試算表が月末から10日以内に出てくる。 作成者と別の人がレビューしている。 正確性。 さらに、綺麗な帳簿は生かさないと勿体無いので、 これを、経営の指標に毎月使っている。 毎月、会計事務所担当者の訪問がある、 なども十分な価値になると思います。そう考えると、ITなどで技術が変わっても、提供する価値は昔からあまり変わっていないですね。