確定申告まっさかりの時期です。 多くの会計事務所はとても忙しい時期ではないかと思います。忙しいのはわかっているのですが、それでも以前知り合いの税理士の話を聞いた時に、驚いたことがあります。そこの事務所では、年明けから3月15日までほとんど土日もなく12時前まで働いているというのです。確定申告期間中は残業食は有名店の焼肉でもなんでも好きなものをとって食べるのだそうです。とにかく大盤振る舞いをしてでもなんでもその時期を乗り越えると言うイメージでしょうか。 他方、ほとんど今の時期でもあまり忙しくない事務所と言うのもあるようです。個人の確定申告はほとんどやらないという事なのでしょう。個人の確定申告は法人の決算と比べても一時期に集中しているし、使う知識も広いので、リスクがあり大変です。 実は同じ会計事務所という名前で商売をやっていても、開けてみるとやっていることは結構それぞれ違っていたりします。提供しているサービスの内容によって単価や繁忙期が違うので、確定申告の時の忙しさもだいぶ違っていたりするのです。 ビジネスモデルは同じ会計事務所といっても、事務所によって全然違います。就職先を探している場合には、自分が何をやりたいか、何を経験したいかが大事なので、その事務所が何をやっているかをよく見た方がいいと思います。主に見るべき点は、その事務所の専門性は何なのか、一体何で稼いでいる事務所なのかです。まあ、これは事務所だけではなくて、普通にどんな会社でも言えると思います。 人海戦術で稼いでいる会社はヤメた方がいいと思います。身につくものがあまりなさそうですから。就職先で身につける経験や専門性は大事です。そこで覚えたことが今後のあなたの飯の種のバックボーンとして一生ついて回る可能性があるからです。なので、就職先がどのようなことで稼いでいる事務所なのかを見ておくことは大事なのです。時間が短くて定時に帰れそうだからというのも、試験みたいに他にやることがあればいいと思いますが、そうでない場合は、自分の一生の進路に響いてしまうかもしれません。 給料が良いと言うのはいうのは、良いサインだと思います。高い給料が出せるということは、その事務所のやっていることの付加価値が高いからという理由がバックにあるからかも知れません。 会社の成績はその会社がどんな商品をやっているかで半分くらいが決まる、というのが私の感覚です。後の半分がマネージメントや販売のやり方など戦術の部分です。いい加減でない、しっかりやっているというのも大事なのですが、やっぱり何を提供できているかがすごく大事です。 まさに私の自分のことでもあるのですが、どんなスキルを身につけて、どんな商品(サービス)を売るかをよく考えることは大事だと思います。ただ結果をまとめただけの税務申告書だけを作る仕事にはしないようにしなくてはと思います。
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手帳っていいです。自分の行きたいと思っている方向と、毎日の行動をすりあわせることが出来るからいいです。 手帳がなくても、Googleカレンダーがあれば予定の管理は十分できます。でも、手帳の役目は予定の管理だけではなくて、自分が何をしたいのか、3年後にはどうなっていたいのか、10年後にはどうなっていたいのかを、毎日見つめなおして、その日の行動を微妙に無意識に軌道修正できるのが良いのです。 それで、緊急ではないけどやりたい事で重要な事をチェックリストにして、少しずつでも毎日消していったりできます。 普段、何気なく過ごしていると、忙しさにかまけているうちに、なんの計画性もなくただ出来事に反応しているうちにすぎてしまいます。 一日一日は何も考えなくても、それなりに普通に過ごすことが出来ます。でもそうすると、3年ぐらいはあっという間に過ぎてしまうのです。で、後から振り返って、この3年間は何をしたんだろうと言う事になってしますのです。 私も今までの社会人になってからの25年で、手帳を使っている時期と使っていない時期がありました。手帳を使っていなくても別に全然平気なのですが、やっぱり手帳を使っていた時の方が、毎日を有意義に使っていれたような気がします。 もう一ついいなと思うのは、人生の目的ほどの事ではないけど、いくつかの大きな課題を忘れないように書いておけることです。例えば、仕事のこと、家族や人間関係の事、プライベートや趣味のこと、それぞれを書いておけるので、いつでも思い返すことが出来ます。 毎日忙しくやっていると、一つの事に押し流されてしまい、他のことが見えなくなってしまいがちです。手帳を見直すと、そういう事を一日のなかで思い出すことが出来ます。 そう考えると、長い時間軸で考えると、手帳は究極の時間管理術なのかも知れません。
「ダメならさっさと辞めなさい」というSeth Godin本を読んでいるのですが、キャリアの選び方をどう考えるかについて面白いと思ったので紹介させていただきます。 続けること まず、どの業界や分野でも一番になることのメリットを述べています。Googleのような検索エンジンが発達した現代においては、一番になることに非常に大きな意味があります。自分が心臓病などの思い病気になった場合に、インターネットで検索して、評判が平均的な(平凡な)お医者さんの所に行こうと思いません。死んでしまったら元も子もないのですから。多少コストがかかっても腕のいいところに行きたいと思うと思います。 弁護士でも同じです。自分が大きな金額を訴えられた場合には、多少コストがかかっても腕の良いところに頼みたいと思います。 つまり、昔も今も口コミや評判で良いところを探していたと思うのですが、特にインターネットの発達してクリック数回で多くの情報が取れる現代では、私たちが集めることのできる情報量は圧倒的に増えているのです。 一番というのは稀少性があります。会社の中でも特殊な能力がある人や、一番の人にはその能力以上の報酬が支払われます。そして、一番ほどの希少性はないかもしれませんが、スランプや困難が稀少性を作ってくれる場合があると言っています。このスランプや困難のことを著者は「The Dip(穴?)」と言っています。 「穴」や困難を乗り越えると良いことがあります。たとえナンバーワンにならなくてもスランプや困難を乗り越えるだけで、それを乗り越える人が少ないので、その「向こう側」に行くだけで稀少性がつくのです。希少性があれば市場価値は上がります。 この場合の穴というのは、メーカーで言えば大規模資本が必要な設備が参入障壁であったり、弁護士や税理士などの資格が必要な業界では、資格の難しさが参入障壁になっています。つまり、多くの人は難しいことに挑戦しても、途中で脱落してしまったり諦めてしまうので、難しいことをやり遂げると、難しいことをやり遂げる人は希少性のある人材になることができます。 さっさとやめるべきこと さっさとやめるべきことを、著者は2つ挙げています。 まず、いつまでやっても進歩がないようなことは出来るだけ早く辞めなくてはいけないと言っています。なるほど、それはそうですよね。例えば、毎日同じ仕事で進歩がないことをやっている場合は、いつまでやっても自分の価値が上がりません。経験がついても稀少性がつかないような仕事は、「そのうち」ではなくて、「今」辞めなくてはなりません。単純労働のアルバイト的な仕事などはこの部類に入るでしょうか。 もう一つ、努力しても1番になれない仕事は辞めましょうと言っています。でも、これが難しいのです。コツコツやってると信じられない程難しいことが出来てしまったりします。やってみないとわからないというのもあります。見極めが難しいんですよね。 一方で諦めずに続けましょうという。The dipを乗り越えると良いことがあると言います。一見ダメでも、誰でも難しく感じるからThe Dipなので、コツコツ続けてそれを乗り越えると、希少性が出ると言います。他方で、見込みがないのは「今」辞めないと時間の無駄だと言います。何かを始めては、穴にぶつかって辞めて、また違うことを始めて、最初は快適だけど、また穴にぶつかって辞めてでは、時間の無駄です。あっという間に4−5年くらは経ってしまいます。 一体、どうしたら良いんだ?という感じなのですが、とりあえず、私のように特別な才能があるわけでもない人は、とりあえず良さそうなものを始めて、2-3年は諦めずにコツコツ続けてみる。何せ、「穴」は良いことなのですから。そして、2−3年続けるとさすがに自分に見込みがあるかどうかわかるので、そこから、今までやってきたことを無駄にしないように、新しいことではなくて、隣のことにピボットするのが良いのかなと思いました。100メートル走をずっとやってきたけど、400メートルハードルに転換するように。その頃にはその業界の様子が少しはわかっていると思うので、もう少し自分の希少性が出せる分野を見つけることができるかもしれません。
目標なんて決める必要がないと言う人もいますが、私は目標を決めておくことは重要だと思います。 目標がないと人生を場当たり的に生きてしまいます。人生というと大げさに聞こえてしまいますが、その積み重ねの元である一日一日を場当たり的にに過ごしてしまいます。一日一日を場当たり的に過ごしていると、あっという間に1ヶ月を場当たり的に過ごしてしまいます。1ヶ月1ヶ月を場当たり的に過ごしてしまうと、あっという間に5年10年が過ぎてしまい、振り返って一体何をしていたのだろうと言う事になってしまいます。 だから目標を決める必要があるのです。 目標を決めるということは、計画を決めるということでもあります。目標を決めても計画を決めないと何も起きません。心の中だけで思っていてもいいとは思いますが、毎日少しずつでも何かを継続してやるのがいいのではと思うのです。目標を明らかにするためにも、計画を作る必要があります。具体的な計画がないということは、具体的な目標を持てていないと言う事を自ら疑った方がいいかもしれません。自分が毎日を無為に、無計画に過ごしていないかを見つめ直した方がいいと思います。 目標は当然複数あってもいいと思います。例えば、健康とかお金、家族や友人との人間関係、趣味などで人によって違うと思いますが、とにかく具体的に決めるのです。 例えば健康ならハーフマラソンを走れるようにするとか、3000メートル級の山に登るとか、お金なら家を買うとか、いくら貯金するとかとにかく何か決めるのです。 そして、次に大事なのが具体的に行動を毎日することです。 例えば、毎日15分でも走るとか、毎日30分勉強するとか、とにかく決めて、具体的に実行することが大事です。 ちょっとずつでいいから毎日やるのです。最初はあまりにちょっとずつなので、現実には永遠にゴールに到達できるようには思えないかもしれません。でも実際には、毎日ちょっとずつでもやっていると、モメンタムというか勢いがついてくるので、スピードがちょっとずつ上がってきます。先日読んだ「スライト・エッジ」という本の中にも書いてありましたが、ちょっとずつ勢いがついてくることが大事なのです。 最初は無理に見えるかもしれません。それでもちょっとずつ続けていくと1年か2年か3年後には状況が変わっていると思います。もう無理には見えないかもしれません。 私は自分の目標の考え方が甘くて失敗したと思っています。この目標の立て方が明確でないと、あとでその失敗に気がつくのですが、それが時間が失われてしまっているので、取り返しがつかないのです。 今は、自分らしさとか快適さが強調されていますが、究極的にはそれでいいと思うのですが、それだけに流されると、無目的にただ、努力を避けて、楽な生活に流されてるだけという事になりかねないので注意した方がいいと思います。それで、10年経ってしまうと、その事自体はもう取り返しがつきません。
時間の使い方を工夫することをは、人生を幸せにするために必要です。 よく仕事を効率よくこなすためにタイムマネジメントを強調されますが、今回書こうと思っているのは、ビジネスを効率的にするためのタイムマネジメントではありません。隙間時間の使い方の話です。実際に、計測してみたところすごいものがありました。隙間時間ってこんなにたくさんあったんですね。 こまかい時間の使い方を有効に使えれば、ずいぶん沢山のことができると改めてわかり、びっくりしました。細かい時間を少しずつ有効に使って使って将来のために積み立てることが大事です。 いま、このブログを読んでくれている方も、やりたいことは山ほどあると思います。しかし、私もそうですが、ほとんどの方が仕事を持っているか何かで自由な時間をそれほど沢山は持てないのではないでしょうか。昼間は仕事をしなくてはいけないので、どうしても自分の時間は、朝か夜と土日休日になってしまいます。作れる時間なんていいとこ、1時間か2時間、相当にめぐまれてて3時間くらいではないでしょうか。 ただ、誰でもやりたいことは沢山ありますが、時間が限られているので、どうしても時間が足りなくなってしまいます。 私が最近試しているのは、自分がやりたいと思っていることは、少しずつ毎日やるという事です。毎日15分ずつでもいいかも知れません。 私の場合は、やりたいことが、プログラミング、資格試験の勉強、税務・会計の勉強、読書、英語、スペイン語、ランニング・登山などの運動など、たくさんあります。家族や友人との時間も必要です。 無茶にうつるかも知れませんが、これを毎日全部やるのです。ただし、長い時間は無理なのでちょっとずつです。。人生は所詮は、今日の積み重ねです。明日も明日になっていれば今日になっています。今日出来なかったことは、明日になってもきっと出来ません。ですので、やりたいことがあったら、少しずつでいいから今日やるのです。 例えば英語やスペイン語などの語学の勉強は、家から駅まで、駅から家までの片道10分弱を使うのです。それから、事務所の駅から事務所までの10分弱も使います。歩きながら語学のCDを聞くのです。これだけで、1日30分が捻出できてしまいます。語学を毎日30分継続したら結構できるようになりそうな気がします。 電車に乗る時に、何かを読みます。カフェや自習室で勉強したり本を読んだりするときも、一つの事にすべての時間を使わず、少しずつ色々な事をやるのです。 ブログも毎日書くようにしたいと思います。ただ、毎日20分とか30分とか決め流ので、毎日アップできるとは限りません。私もブログは継続したいと思っているのですが、毎日アップするのは負担がちょっと重すぎます。 一生のうちやりたい事というのは、誰でもあると思います。それを毎日ちょっとずつやって、時間で積み立てていくのです。電車に乗ったり、駅から家まで歩いたり、一回一回は10分くらいのとるに足らない時間なので、効果はほとんど感じられないかも知れません。また、そんな短い時間は何をやってもそんなに効果がでないし、逆に、捨ててもどうってことないと思いがちです。 でも、昨日から時間をアプリで計測してみて、びっくりしました。歩く時間や電車に乗ってる時間を語学や読書の時間に充てると、1時間くらいは軽く捻出で来ているんですよね。今朝もやって見たら、細かい移動や歩く時間の積み重ねプラスアルファで1時間半が勉強や本が読めていました。 もしかしたら、こうやって細切れ時間をちょっとずつ捻出して、積み上げていったら何かあこがれていたことが出来てしまうかも知れないじゃないですか。 細切れ時間に色々詰め込もうとすることの難点は、ちょっとせわしない事で、ぼーっとしたい時には向かないと思います。結局は、こう言う細かい時間を使ってでもやりたいと思うか思わないか、人による価値観の違いもあるとは思います。
地道にコツコツやることは、簡単で、毎日数十分をその事に使うだけです。毎日英語をポータブルプレーヤーから聞けば、5年後にはきっと英語ができるようになっています。毎日1時間と言わず、たった30分使えば5年後には思わぬくらいにすごいところまで行っているのではないかと思います。毎日1時間やっていれば、1年間で365時間です。5年経てば1800時間時間です。 よく、10,000時間やると、その分野で専門家になれる、突き抜けることができるなんて言われますが、1800時間はその5分の1でもあります。世界のトップになろうなどと思わなければ、十分にすごいところまでたどり着ける分量です。一つの事をまとめて1800時間やろうとしても、とてもじゃないけどできません。すごい多大の時間の蓄積になるのです。 きっと、私も中国語を毎日30分続けていれば、ある程度は出来るようになっていたかもしれません。でも残念ながら続いてはいません。なんか途中で無理なような気がしてしまって、時間を無駄にしてしまっている様に感じてしまうんです。発音とか単語を覚えるのとか、これは無理だ。。って思って、それで途中で辞めてしまっているんですよね。 「スライトエッジ」という本のなかに、地道にちょっとずつやることは簡単なはずなのに、出来ている人は少ない。その理由は、(1)小さい事なので、効果がすぐには目に見えずらい、時間がかかる、(2)小さい事なので、やらなくても大した事ではないと感じてしまう、と書いてあります。 なるほど、確かにそうなのです。まったくその通りで、毎日のステップが小さなことなので、効果が目に見えず辞めたくなります。また、良い事とはわかっているのですが、やらなくてもすぐには目に見えるマイナスにならないので、やらなくても別にどうってことはないのです。 この30分が忙しくて作れないという人もいるのですが、そういう場合はあきらめましょう。やる気になればできることだし、やる気にならなければ出来ない事だからです。私たちの自分の人生を左右するくらいに大きい結果がでることなので、何としてでも30分くらいは作った方がいいと思うのです。 私も日々忙しいと言いながら、何となく過ごしてしまいがちなので、毎日ちょっとずつの「スライトエッジ」したいなと思います。
地味で当たり前の内容なのですが、著者ご自身の話なので面白いと感じます。 著者はフロリダのビーチで楽しくチャラチャラしたかったので、大学を辞めて、ニューメキシコ州の実家からフロリダに引っ越しました。夢の生活が待っていたかと言うと、実際の仕事はゴルフ場の芝刈りの仕事で、そこにゴルフをしにくるお金持ちをみては、自分と彼らの立場の違いにストレスを感じていたそうです。 ある日一念発起して大学に戻り、MBAをとって会社で数年働いたのち独立、太陽光発電事業で大成功するもその後に倒産、そこからやり直して今はビジネスは安定しているのだそうです。 その著者が書いた本がThe Slight Edge。少しずつ積み上げましょう、と言うような意味でしょうか。 著者の引き合いに10年くらい前にすごく売れた「となりの億万長者」の話がよくでてきます。著者がびっくりしたと言うのがお母さんの話です。シングルマザーで福祉の関係で働いていたためお給料も良くなかったのに数人兄弟を育て上げました。ある日大人になってお母さんとその「となりの億万長者」の話をしたら、私も数億円貯金があるわよと言われたそうです。 著者は自分の母親が貧乏ながらも質素に自分たちを育てくれてたと思っていたら、実際にも裕福ではなかったのでしょうが、そんなに多くの貯金を持っていた。複利の効果に改めて驚いたと書いています。実は自分のシングルマザーの母親が「となりの億万長者」でした。 お金に限らず、時間や勉強、健康や人間関係、全部少しずつの積み上げだと言っています。良い時に全部を無駄に使ってしまってはダメです。良い時でも、コツコツと積み上げましょう、と言っています。私は、贅沢をする必要は無いけど、お金は使うことも必要だと思っています。 人生はダメな時もあります。失敗してしまう時もあります。 残念ではありますが、失敗は誰にでもあります。相手にできるだけ迷惑をかけないようにして、被害を最小限に押さえましょう。 そして、また、毎日少しずつ積み上げて、いつか取り返せばいいのではないでしょうか。 著者が想定している読者がアメリカの成功していない層をターゲットにしているからでしょうか。英語がすごく平易で読みやすいです。
「キャリアとか仕事を通した自己実現なんて、そんな重要なものではない」と考えた方が気が楽です。世の中のほとんどの人は、生活のために働いています。仕事を通して自己実現をするとか言うというのは、もしそういう事が起こったら「儲けもん」くらいの感覚で考えた方が良いのでしょう。現実の世の中には、それ程、知識や技能の必要無いアルバイトやパート的な仕事についている方が沢山いて、そのこと自体を否定する理由は何もないと思うからです。 他方で、私はもう少しで50歳になります。社会に出てきて25年くらいが過ぎました。まだ30歳くらいの人には信じられないかも知れませんが、25年くらいはあっと言う間です。そんな中で、今までやって来た決断で、良かったことが3つあります。 1つ目は、高校生の時に交換留学でブラジルに行った事、2つ目は、最初に就職した会社を辞めて会計士試験を受けた事。3つ目は、会社を辞めて税理士事務所として独立したことです。 どれも、それなりに苦労が多い事でした。高校生でまったく言葉のわからない国に1年間留学したというのは、今考えてみるとよくやったなと思います。大人になった今に思うとその無謀さと言うか若さと言うか、自分の子供がもし同じことをやるって言い出したらきっと尊敬してしまいます。だってポルトガル語なんてまったく知らなかったし、英語だった中学英語に毛が生えた程度で全然できないレベルだったんですから。 それでも、何が良かったかというと、外国の文化にアレルギーがなくなりました。もっと言うと外国語は出来るようになると自分の中でわかったことでした。私の通っていた高校は埼玉県の北にある田舎の高校で、外国なんて海の向こうの遥か彼方の事でした。ちょっと何かをカタカナで言うと外国かぶれと後ろ指さされてしまうような環境でした。今思うと、古すぎて閉鎖的すぎて信じられません。 1年間留学してホームステイをしたことにより、ポルトガル語を夢の中でもしゃべっている様になりました。英語も少し出来る様になりました。世界中からの留学生が交換留学で一緒に来ていたのですが、一緒にくだらない事で盛り上がっているうちに世界がグーンと広がりました。今の事務所を国際事務所と名前を付けているのも、実際はそれほど難しい事はやっていないのですが、この時の経験が活きています。 会計士試験も税理士事務所として独立するのもそれなりに努力が必要ですし、犠牲も多いものではあります。でもやってよかったと思っています。 ここで共通するのは、この3つは全部自分で選んでやったという事です。自分で選んだという事は、少しの苦労があっても自分の事として前向きに頑張れるのです。もう一つは、自分に負荷のかかり、一定の期間の継続的な努力が必要だったと言う事です。自分で選んだことだから継続的な努力を続けることが出来たのでしょうし、その継続的な努力によって得た知識は、全てなくたとえ一部であったとしても今の仕事にも生きています。簿記とか会社法とか。 何十年単位で自分の人生を振り返ってみても、これらの事は挑戦してみて良かったなと思うのです。ですから、もしこれから自分がやりたいことが出てきて、それがリスクを伴うし大変なことだったとしてもやったと方が良いのではないかと思うのです。
天皇陛下の心臓手術をした心臓外科医の天野先生のこれまでの半生を書いた本です。 いくつかの重要な意思決定の話が出てきますが、この先生がこだわっていたのは、シンプルに手術の数だそうです。年間に何百回という数をこなすと言うことを具体的に自分の中で決めていたとおっしゃっています。外科医が手術が上手になるには、場数が大事だとおっしゃっています。 医者でも転職することはありますが、やはり転職して思ったように行かないこともあったようでした。民間の病院からある横浜市の大学病院に転職した時に、この転職先では周辺住民の平均年齢が若いこともあり、手術数がすごく落ちたのだそうです。転職して思ったのと違うと行って見てから気づくのは、医者も他の仕事も同じなのですね。当たり前なのでしょうが、新鮮でした。 そこで、手術が多く行える順天堂大学病院にもう一度転職したのだそうです。 人から求められるものを一生懸命やるというのが、職業の基本だと思うのですが、やはりそれだけではなく、自分はどういう方向に進んでいきたいのかというものを常に持っているというのも大事だと言うことだと思います。 お客さん(雇い主)はよく見ています。特に、お金を出して人を使う場合には、その人がその仕事がちゃんと出来るか、ちゃんとやってくれるかをシビアに見ていると思います。 なので、自分では得意だと思っていることでは認めてもらえずに、お金を払ってもらえる仕事と、自分がやりたい仕事が違ってしまうという事はよくあります。自分の事はどうしても甘く見てしまうので、逆に客観的に見れていません。他人の方が自分の事を客観的に見ているというのは、結構、岡目八目という通りで真実なのでしょう。 それで、よく自分が好きな事をやるより、自分が得意なこと(しかも自分がそう思っているわけではなくて、他人がそう評価していること)をやるべきだという事が、よく言われます。 きっとそうなのでしょうが、10年単位の長期間の関心を持ち続けて、技を磨いていくためには、やはり他人の視線だけではなくて、「自分はこの方向に進みたい」という自分の意思を持ち続けることも重要なのだと私は思います。 それに、「天才!」などの本にもありますが、10,000時間の法則などと言うのもあります。10,000時間続ければ、最初は下手で人に評価されなくても、誰でもすごいレベルに到達できるのです。
大型の資格を取ろうとすると時間がかかります。当たり前ですが、色々な事を犠牲にしないと最終ゴールまで到達できません。 人によって違うとは思いますが、会計士や税理士を目指そうとすると3000時間以上はかかるイメージなのではないでしょうか。私の場合は、24歳から勉強し始めて、合格したのは28歳の時でした。働きながら勉強していましたが、働く以外の時間は随分勉強していたように思います。 こう考えると、24歳から28歳の間の4年間の自由な時間の大部分を勉強に費やしていたわけですが、これが良かったといえるのかどうか、随分失ったものも大きかったように思います。 例えば、最近はどっちつかずで、司法試験の勉強をしたり、プログラミングをしたりしています。どちらも非常に時間がかかります。司法試験は言わずもがなで、本気で合格レベルに達しようと思ったら、やはり5000時間以上の時間が必要のようです。これは、自分の仕事(会計事務所)をしながらやろうとすると、5年はゆうにかかる勉強時間といえます。下手すると6-7年使ってしまうかもしれません。 プログラミングの方も同じです。ちゃんと測ってこなかったので、正確な時間はわかりませんが、会計事務所として独立してから、同時並行で10年くらいはやっていますから、平均して毎日1-2時間はやっているとしても、3000-4000時間くらいはすでに使っているかも知れません。うーん。改めて振り返ってみるといい意味でも悪い意味でも恐ろしい数字です。 英語も、就職してから転職してからもずっとやっていましたから、5000時間くらいはやったように思います。 考えてみれば当然ですが、この時間を他の事に使うことも出来たわけです。趣味に使えたかもしれないし、家族に使うことも出来たかもしれません。世の中のもっと役に立つことに使えたかもしれません。 仕事を食べる為に必要な事と考えるなら、仕事に人生のすべての時間を使う必要はありません。必要最低限でいいはずです。でも、仕事を自己実現と考えると、他の事に支障がない範囲なら、別にいくら時間を使ってもいいと言えるのかも知れません。 まあ、この辺は人それぞれの考え方の問題なので、何が正解というのは人によって違うとは思います。それでも、今、独立して食べていけるのですから、犠牲にしたものも大きかったかも知れませんが、良かったといえるのかも知れません。 つまり、資格はわかりやすい目標でそれなりにリターンもあるとは思うのですが、なんせ何千時間という膨大ながかかります。これは、大きな時間のかたまりなので、一つのそれなりに大きな目標が達成できる時間です。その犠牲を考慮せずに資格の勉強をしてしまうと、自分の人生を随分無駄に使ってしまうことになりかねないので、自分の生きたい方向とよくすり合わせて考えることが必要かなと思うところです。