この方の本は、実務家の視線で今の現実が書かれていて、面白いんですよ。もともと、銀行やコンサルにいらっしゃったようなのですが、その後、三井不動産で「コレド日本橋」や「虎ノ門琴平タワー」など、数多くの不動産買収、開発、証券化業務を手掛けていたようです。現在は不動産に関する仕事をご自分でやってらっしゃるようなのですが、実務家だけあって、机上の空論だけでない、実際の話が色々出てきます。 以前に「空き家問題–1000万戸の衝撃」という本を読みましたが、その時も、今日の首都圏の住宅事情の現実が色々と書いてあり、外側から不動産の広告を見ているだけではわからないことが、色々と起きていることがわかりました。 まず、本書では、バブルの時代に横浜郊外(保土ヶ谷区の方?)に一戸建てを立てた、エリートサラリーマンの方の話が出てきます。 この方は、現役の時がバブルで、当時あこがれの一戸建てに住んでいたのですが、当時1億とか1億5000万円した物件が現在は3000万円でも売れない話が出てきます。そして、こういった当時の戸建て中心の高級住宅街は、当時丘陵に建築されたことが多かったようなのですが、今そこに住んでいる住人は皆一様に高齢化してきているので、車の運転が出来なくなってくると途端に移動もなかなかままならなくなるそうです。 また、当時の平均的な家庭がこぞって買ったような、ニュータウンと呼ばれる新興住宅地の話が出てきます。いま、新興住宅地では、居住者の平均年齢があがり、少しずつと空き家が増えてきています。しかし、こういうニュータウンは都心からも遠く、駅からはバスだったりして、若い人たちはあまり入ってこないそうです。 そうして購買力の落ちたニュータウンからは、クリニックや商店が閉鎖したり、バス便が廃止になったり本数が減ったりして、段々と生活基盤が失われてきています。 こういう住宅が当時何千万、下手したら1億近い金額で取引されていたというのですから、人口増加や金融政策などの当時の状況をが今と違うことを考えても、時代は変わるという事がよくわかります。 結論 1)家は地域で買えと言うのが、筆者の結論です。が、地域の性格も10年経つと変わります。なので誰にも20年先のことはわからないと思いますが、バス便や都心まで1時間以上の不便なところはやめておいたほうが良さそうです。人口は当面減る方向というのが既定路線ですから、大きい買い物をローンで買うのは慎重なほうが良いかも知れません。 2)それとバブルには乗ってはいけない。数年間はいいのかも知れませんが、10年以上経つと世の中は変わっています。今がバブルだということは誰にも分からないとも言いますので、難しい事かも知れませんが、明らかにバブルっぽい時に、家をローンで買うのはかなり危険な行為と言えると思います。
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いやー、恐ろしい未来がかかれています。それも前岩手県知事で総務大臣をやっていらっしゃった増田寛也氏が、役所が作った各種のデータをもとに書いていますから、信頼度もあると思います。 「このままでは896の自治体が消滅しかねないーー。減少を続ける若年女性人口の予測から導きだされた衝撃のデータである。若者が子育て環境の悪い東京圏へ移動し続けた結果、日本は人口減少社会に突入した。多くの地方では、すでに高齢者すら減り始め、大都市では高齢者が激増してゆく。豊富なデータをもとに日本の未来図を描き出し、地方に人々がとどまり、希望どおりに子供を持てる社会へ変わるための戦略を考える」(本書より) 単純な計算ではありますが、日本の出生率が1.43とすると、人世代ごとに人口が30パーセント減って、70パーセントになっていくことを表しています。もちろん、現在の日本の人口構成では、1世代が25年くらいだとしても、3世代くらいがいますから、25年後に人口が70%になっているわけではありません。 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」という資料によると、2040年の総人口は2010年の12,806万人から10,728万人に、減ることが予想されています。12.2パーセント。すごい減少率です。 さらに、65歳以上のかたの人口の割合である高齢化率は、2010年の23.0パーセントから36.1パーセントに爆増することが予想されています。これは、単純に計算しても、支えるべき勤労世代が減って、支えらえる高齢者層が1.5倍に増えるということです。これって、恐ろしくないですか? 社会保障負担の増大 私も、それがどれくらいすごいことになるのか、イメージがわかないのです。単純に考えても、今の社会保険料が倍くらいになるということでしょうか?いまでも、給与所得者に対する社会保険料は、会社負担を入れても給与の30%あるんですよ。それが、皆さんの毎月の給与から控除されているのですが、これが倍近くに増えるとしたら、さすがにそこまではいかないかも知れないのですが、想像するとすごい負担です。成り立たないですよ、きっと。 この本からの学び この本を読んで何を学ぶかと言うことですが、近い将来の日本がどんな社会になりそうなのか、人口の面から予想ができます。社会保障費の増大と、それを支えるための社会保険料を含む税金負担の増大は不可避であることが想像できます。今、現役の世代の人たちは、将来の親の介護費用が相当に増加するほか、自分たちの分は自分たちでちゃんと貯めておかないと、子供に過大な負担をさせてしまうことになるかも知れません。 また、空き家もさらに増える方向になりそうです。地方では、すでに空き家が増えているそうですが、これがさらにぞうかすると思われます。 さらに、日本の国債は名目GDPが成長することを前提にして返済することになっている様ですが、これだけ人口が減っていくとなると、ちょっとやそっとの規制緩和や技術革新では難しいことがわかります。 大幅な円安を通じた相当なインフレか、預金封鎖や通貨の切替えなどの、何か非連続的な調整方法を採らないととてもではないけど無理そうなことは、直感的に感じます。 昨今では、JR北海道が相当部分の路線を廃止するために自治体と協議をしたとありましたが、このような状況は全国に増えそうです。 このような「事実」に関する本を読むと、私たちが自分の生活を自衛するためにもどのような事が必要になるのか、考えるヒントにはなると思います。 やるべき事、慎重に考えた方がいいと思われること 1)投資用の不動産の購入は、慎重にする。特に、変動金利で借りた地方の中核都市未満にある物件は、リスクが大きいように思います。地方は、人口の減少をどこで食い止めるかを真剣に議論している程で、人口は減少しています。不動産の値段が上がる要素は少ないように思います。 2) 地方への移住は慎重にする。特に、中核都市未満の限界集落的な地域は、人口がどんどん減ってます。緊急医療を提供できる病院をどこまで残すか、なんてことを議論しているので、将来、病院がなくなる、鉄道がなくなる、小学校がなくなるなんてことは、十分に起こりうるように思います。子供の教育を考えたら、小学校や中学校がなくなる事態は、あまりプラスになるようには思えません。
日経新聞などの毎日のメディアとこういう新書版の違い 普段、日経新聞なんかを読んでいても、新聞の中に載っている重要そうな記事が、この数十年単位の時間軸のなかでどう言う意味があるのかは、我々素人にはわかりにくいと思います。数年前にどういうことがあって、今回の中央銀行の発表がどんな意味があるのかは、マーケットにずっといる様な方でないと、なかなか文脈の中で判断できません。 この本は、現在のアベノミクスがどのような日本の財政の中でやられているのか、それにより日銀のバランスシートがどのような状況になっているかを、豊富なデータやグラフを使用して解説してくれています。 このような長期のコンテクストの中で、日本の財政状況の話が書いてあり、私なんか、早速今後の身の振り方を考えてしまいました。この本を読んだら皆様も真剣に今後の事を考えてしまうと思います。そういう意味でもお勧めの本です。 日銀のバランスシート 新鮮だったのが、日銀のバランスシートの話です。国債の残高が1200兆円を超えているとか、GDP比率が250%に近くなってきている話は、誰でもよく聞きますが、日銀のバランスシートの話は私は知らなかったです。 今、黒田総裁率いる日銀は、世界を仰天させた異次元緩和をやって日銀のバランスシートを膨らませています。リーマンショック後のFEDやPIIGSの国債が売られた時やギリシャ危機の時のECBも、債券や国債を買ってバランスシートを膨らませてきました。 FEDやECBではどのように量的緩和を解除して、積みあがったポジションを平常の状態に戻していくかという事が、議事録にも残してあるように真剣に議論されているようです。 こんな事を教えてくれる事が、こういう専門家の本の価値だと思います しかし、ここがこういう専門家の本を買うことの価値だなと思うのですが、著者はFEDやECBの議事録を読んで、どのように出口戦略が議論されているか、原文を調べているのです。こういう所はやはり専門家が時間を使って初めてできることで、私たちのように一般人が、自分の仕事を持っている中で自分の時間を使って調べるなんて、とても出来ない訳です。それが、消費税を入れても800円をちょっと超える値段で買えるのですから、本当にお得です。この部分だけでも800円の価値の100倍くらいは軽くあるように思います。 今後何が起こるのか ひるがえって、日銀の場合は「時期尚早」と言うことで、少なくとも表向きにはしっかりとした言葉では説明されていないそうです。 通常、こう言う量的緩和をやった場合の中央銀行のバランスシートは、GDPの50%とか何百兆円とか言う規模で資産が積みあがっているので、この資産を市場で売却して残高を解消していくと、市場の金利が上昇します。マーケットにあまり影響を与えないように、FEDなんかの場合は、債権を満期までもって、そこで新しい借り換えの債券を買わないようにするなどして、自然減で資金の回収を図ったりするそうですが、その方法や、時間軸・マーケットに与える影響などを真剣に議論して議事録に残しているそうです。通常、拡大したバランスシートの解消には10年くらいの非常に長い時間がかかります。 日銀の場合も、そのようにして積みあがったポジションを解消していく必要があります。 ここで、著者が指摘しているのですが、日銀のポジションはすでに400兆円くらいあるそうです。ポジションを解消していく中で金利が上昇していきますから、日銀には相当の評価損が出ることが予想できると書いていいます。この評価損が問題で、日銀の場合は債務超過になる可能性が書かれています。日銀が債務超過になった場合に、どのような影響があるのかは私にはよくわかりませんが、金融市場に与える影響が甚大になる可能性はあると思います。 国家が債務を返済できなくなった場合に何が起こるか これについても、ギリシャで起こった緊縮財政や年金の支給年齢が繰り上がったこと、戦後の日本で起きた新円切替や預金封鎖の話が書いてあります。 近い将来に、相当に高い確率で起きる未来に対して、私も自分はどうしたらいいのかと考えてしまいました。きっとこれを読んだ方も皆様も、これから高い確率で来るかも知れない大津波に対して、一体どのようにして自分の生活を防衛したら良いのだろうと考えてしまうと思います。そういう役に立つ情報や刺激も含めて、読書の価値だなと思います。 私が考えたやるべきこと 1)円の現金を減らして、何か違うものに替えておくこと。当局がインフレを通して債務を減らしたいと考えているかどうかは私にはわかりませんが、日銀のバランスシートが将来傷むのは間違いありません。円の名目価値が下がらないと政府の債務は現実的には返せそうに無いですし、そうではない場合には、暴力的な方法で債務を帳消しにするしか方法はなさそうに思います。いずれの経路をたどるにせよ、円をせめて、ドルかユーロなどの違う通貨建ての資産にしておくのは、少しは自己防衛になるのではないかと思います。 2)値下がりのリスクはもちろんありますが、金や原油などの世界で流通する価値のある現物資産を持つのもリスク分散の観点からはいいと思います。これからドルの金利が上がると、金などの現物資産の価格は下がるかも知れませんが、持っている資産のうち少しの割合ならいいのではと思います。どうせ、日本円の価値は下がらざるを得ないのですから。 3)変動金利で借金をして、不動産を買うことは慎重にした方がいいと思います。日銀が国債を買い続けることによって、金利は低いままで抑制されるかもしれませんが、そうであるなら、円の価値が外貨に比べて下落すると思います。円を防衛するためには、日銀は金利を上げなくてはいけなくなりますが、その場合には、政府が借り入れを返せなくなるのと同じように、変動金利で借金をしてしまった、私たちも死んでしまいます。金利があがれば、資産の価値は下落するし、毎月の返済も上昇するからです。 また、あたるかどうかはわかりませんので、適当に聞き流していただけると幸甚です。
税理士である自分にお客様は何を求めてお金を払っているのかを考えて、自分でわからなくなることがあります。 税金を安くして欲しいと言う要求も常にあります。 特に去年(H27)や今年(H28)は株高があったこともあり、明暗はありますが、比較的利益の出た会社も多かったです。でも、99%のお客様は「合法」の範囲内で出来る事をやって欲しいとおっしゃいます。つまり、脱税をしてまで税金を安くしたいという人は、ほとんど居ません。「何とかなんないんですか?」と食い下がる方(暗にほのめかす方)もいらっしゃいます。でも、税金の世界にも出来る事と出来ない事があるので、出来ない要求には応えることができません。そういうお客様は私の事務所には現在いないと思います。 では、そう言うブラックな要求に多少なりとも応えないと、仕事がなくなり、食べていけなくなるかと言うと、意外とそうでもないのです。私の事務所でも、10人くらいの人数を抱えて、これまで10年以上やって来れてます。資格の必要な商売ではありますが、寡占のない自由競争の業界ですし、お客様は、嫌ならいつでも他の税理士の所に行くことが出来ます。それでも、自分のお金を払って使っていただけるのは、何らか価値が提供できているからなのだと思います。 税務会計の知識は、絶対に必要でしょう。 税務や会計のルールは毎年変化するので、フォローするのは大変です。 でも、ついて行かないと税額控除や特別償却などの恩恵を見逃してしまいます。 最近、失敗してしまったのは、課税売上割合が95パーセントを下回ったときに、一括比例配分方式で、課税売上割合以外の方法が使えたのに、使わなかったことです。この方法を使うには、会計期間の終了時点(3月31日)までに届け出を出していなくてはいけなかったのですが、課税売上割合が95パーセントを下回ったことに気が付かなかったのと、届出を出せばもっといい方法があったということに気が付いていなかったのです。課税売上割合以外の割合を使えるということは、知識では知っていたのですが、それを実務で生かすことができませんでした。 こういうミスを防止するには、私の思いつく範囲では、チェックリストしかないように思えます。多くの決算対策は期末の時点で現金が動いていることが必要だし、届出は決算の前に出して無くてはいけないのも多いですから、やはり、決算の2か月前には、一度お会いして状況を確認するという事が必要なのでしょう。 なんらかの専門性 税務会計以外に何か強い分野があるといいです。私の事務所は英語でのコミュニケーションは得意ですが、それ以外は法人税にしても消費税にしても、常識的な範囲にとどまっています。外科における心臓外科手術のような何か突き抜けた得意分野があるといいなと思うのですが、今のところ、お客様の色々な要求にこたえるように努力しつつやって来た結果、小さな総合商店のようになってしまっています。 値段 値段は、提供する側からすれば高い方がいいに決まっているのでしょうが、サービスを買う側からすれば安い方がいいに決まっています。安すぎると、サービスを提供する側が疲弊するので、避けるべきでしょう。高すぎるのは、世の中にはマーケットがあるのですから、長くは続きません。すべてのお客様と付き合おう、どんなお客様にも好かれようとしないのがポイントのように思います。 だんだん寒くなってきましたが、冬は空がきれいです。
天皇陛下の心臓手術をした心臓外科医の天野先生のこれまでの半生を書いた本です。 いくつかの重要な意思決定の話が出てきますが、この先生がこだわっていたのは、シンプルに手術の数だそうです。年間に何百回という数をこなすと言うことを具体的に自分の中で決めていたとおっしゃっています。外科医が手術が上手になるには、場数が大事だとおっしゃっています。 医者でも転職することはありますが、やはり転職して思ったように行かないこともあったようでした。民間の病院からある横浜市の大学病院に転職した時に、この転職先では周辺住民の平均年齢が若いこともあり、手術数がすごく落ちたのだそうです。転職して思ったのと違うと行って見てから気づくのは、医者も他の仕事も同じなのですね。当たり前なのでしょうが、新鮮でした。 そこで、手術が多く行える順天堂大学病院にもう一度転職したのだそうです。 人から求められるものを一生懸命やるというのが、職業の基本だと思うのですが、やはりそれだけではなく、自分はどういう方向に進んでいきたいのかというものを常に持っているというのも大事だと言うことだと思います。 お客さん(雇い主)はよく見ています。特に、お金を出して人を使う場合には、その人がその仕事がちゃんと出来るか、ちゃんとやってくれるかをシビアに見ていると思います。 なので、自分では得意だと思っていることでは認めてもらえずに、お金を払ってもらえる仕事と、自分がやりたい仕事が違ってしまうという事はよくあります。自分の事はどうしても甘く見てしまうので、逆に客観的に見れていません。他人の方が自分の事を客観的に見ているというのは、結構、岡目八目という通りで真実なのでしょう。 それで、よく自分が好きな事をやるより、自分が得意なこと(しかも自分がそう思っているわけではなくて、他人がそう評価していること)をやるべきだという事が、よく言われます。 きっとそうなのでしょうが、10年単位の長期間の関心を持ち続けて、技を磨いていくためには、やはり他人の視線だけではなくて、「自分はこの方向に進みたい」という自分の意思を持ち続けることも重要なのだと私は思います。 それに、「天才!」などの本にもありますが、10,000時間の法則などと言うのもあります。10,000時間続ければ、最初は下手で人に評価されなくても、誰でもすごいレベルに到達できるのです。
自分でビジネスをやる人は誰でも薄々気が付いていることなのかも知れません。その会社の会計帳簿がきれいか汚いかというのは、ビジネスがそれなりにちゃんと回っているかそうでないかという事と相関関係があるように思います。もう少し言うと、帳簿がきれいな会社は、経営が比較的安定しています。多分、自分のビジネスが可視化されているので、マネージしやすくなっているのではないかと思います。 何となく想像できますが、一般論からいっても、私の経験から言っても、帳簿が汚い会社は大体だめです。と言うか、汚い会社でちゃんとやれている所を私は見たことがありません。個人でやっている様なところは、帳簿は年に一回つけるようなレベルでも何とかなります。そう言うところは、ほとんど全部の必要な情報が、社長の頭の中に入っているので、帳簿をつけていなくても、まあまあ思い出せるので、それ程は必要ないのだなと思います。 帳簿が汚い会社は、ビジネスを少し大きくしようとしても、自分の会社の状態がきちんと可視化されていないので、きちんとマネージできていません。自分の会社の状態が把握できていないという事なのでしょう。把握がきちんとできないので、途中で空中分解してしまうことが、自分の経験を振り返っても多いように思います。 会社が空中分解するというのは、悲惨なことです。下手をすると社長は追い詰められて自殺を考えてしまうし、家族はバラバラになってしまいがちだし、そうでなくてもストレスで、寿命が縮まるし、病気になってしまいます。 また、帳簿が汚い会社は、秘密(というかウソ)が多いことも多いです。秘密があることは、経営上必要な事ですし、何の問題もないのですが、多分、自分で秘密を多く作って行くうちに、自分で訳がわからなくなっていってしまうのかも知れません。 原因と結果の順番が、卵とにわとりの関係に似ています。どちらが先に来るのかは、わかりません。むしろ、上手くやっている経営者の方は、ちゃんと会社をマネージしようとする意識があるから、帳簿がきれいなのかも知れません。つまり、「帳簿がきれい → 経営が安定」、ではなく、「経営を安定させようとする(きちんとマネージしようとする)→ 帳簿がきれい」、という事かもしれません。 でも、きちんと自分の会社をマネージしようとすると帳簿をきれいにせざるを得ないので、帳簿がきれいになると、よりきちんと自分のビジネスをマネージできるようになるのは確かだと思います。 ですので、自分の会社を安定して成長させるために、きちんとマネージしたいと考える人は、最初の一歩を帳簿をきれいにすることから始めるのも良いように思えます。 特に、今まで、一人か2-3人でやってきたところが、さらに人を増やそうとするステージでは、帳簿の整備に手を付けてみるのがお勧めです。地味だし、目にみえる効果が出にくいし、ほんとに効果があるのかなとも思うのですが。。
When you are thinking of investing Japanese properties, please talk with a qualified tax accountant. It will probably make a huge difference in your future cash flow i.e. consumption tax refund. At the beginning of investing, you will need to decide whether you will buy properties as an individual or setting up a company and … Read More “Consumption tax refund from investing Japanese properties” »
累積赤字があるため貸借対照表の見栄えが悪い場合に、既存の資本金や資本準備金を使って累積赤字と相殺することが出来ます。 資本と利益は、企業会計原則上は厳密に区分して処理し、混同することは許されません。ですが、累積赤字がある時はその相殺は許されます。 ここでポイントとなるのは、税務上は、資本金等と利益積立金は別の項目ですので、相殺してもそれぞれがそのまま引き継がれます。従いまして、別表7に記載される繰越欠損金の金額に変更はありません。今までの繰越欠損金はそのまま引き継がれます。 また、もう一点注意すべき点は、減資の公告のタイミングです。公告の掲載期間は1か月なのですが、掲載してもらうまでに2週間ほどかかる場合があります。例えば、年内(12月31日)に減資の登記をしたい場合には、年内までに公告期間の1か月がたっている必要がありますから、11月の終わりまでには公告を出している必要があります。ですが、掲載までに2週間ほどかかる場合があるので、やるなら11月の中旬(11/15くらい)までには、申し込みをしないと間に合いません。 意外に、時間がかかるので注意しましょう。 皇居周辺も紅葉で色づいてきました。 ************************ 最近、ホームページを更新しました。最近やっとローンチしたアプリで写真を撮ったものの入力サービスを説明しています。 Accounting Intelligence ウェブサイト
「この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、交渉事にぶち当たったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を掛け値なしにやりとりできるように、究極の問題例を挙げつつ、シュミレーションしようとしたことにあります。」(帯紙より) まだ全部読んでないのですが、読み応えがあります。意思決定に関しての最近の研究成果であるダニエル・コールマンの選択の話も出てきます。意思決定にはバイアスがあり、簡単な算数程度の確率が絡んだ判断でも不利な意思決定を、頭のいい人でもしてしまうことがよくわかります。 私たちも、日々色々な意思決定を迫られるじゃないですか?その中には小さいものもあれば大きいものもあります。小さい意思決定も大事だと思うのですが、大きいのは大事です。例えば、就職するときとか、結婚するとき、マイホームの購入を決断する時、転職するとき、会社を辞めて独立するとき。こういう時に正しい意思決定をすることができるか、それがその後の人生に大きな影響を及ぼします。 小さな自営業でも、大きな(小さな)事務所の引越しをするかどうか、新しい事業分野に進出するかどうか、事業をあえて大きくしないのか、それとも人を採用して大きくしていく方向でやっていくのか、色々な選択の場面があり、色々な結論がありえます。 私の中で最近の選択は、あらたな資格試験に時間やお金を集中するか、それともシステム開発にするかというものです。海外に事務所を出してみたいというのもあります。どれも会計事務所としてはシナジー効果があると思います。税理士の仕事は税金の仕事ですが、法律が密接に絡みます。資格試験は法律の試験ですが、結構、近接分野です。相当に時間がかかりますし、試験に受からないという可能性は沢山あります。 システム開発も、今の仕事と相乗効果がありそうです。比較的新しい分野ですので、どういう風にメリットになりうるのかやって見ないとわからないという不確実な部分もあります。 この選択の根底には、仕事は何のためにするのか、という問いがあります。仕事は生活費を稼ぐべきもので、個人が家庭を守るために食えればいいのか、お金が稼げればいいという考え方もあります。このほうが、仕事に変な個人の趣味を持ち込まないので、正しいく良い仕事ができそうです。独りよがりにもならなそうですし。 それとも、仕事に個人の趣味や生き方を持ち込むか。食うだけにとどまらず、仕事に何らかの自分の価値観や好みという数字だけでは判断できない要素を取り入れてしまうか。仕事なんて、所詮は人生の一部分にすぎないと考えると、食えるようになったら、あとは何をしてもいいのだから、逆に自分のやりたいことを加味してみるというのも全然ありになります。 でも大きな意思決定は、特にのちのちの人生にも本当に影響しちゃうので難しいですよね。 この本は読みごたえがあります。色々な実在の登場人物が出てきて、戦前の歴史に興味が出てきます。
外国税額控除というのは、外国で払った分の税金が日本で二重課税にならないように、日本の税金から控除される仕組みです。英語ではForeign Tax Creditと言います。 例えばカナダで払った源泉所得税は、日本の法人税から向上することが出来ます。個人の場合も同じで、所得税にも外国税額控除はあります。 国際課税の仕組みは世界中で似ているので、一度理解するとヨーロッパやアメリカの会社の税務の方と話しても、話がスムーズに通じます。移転価格税制とか、過小資本税制とか、タックスヘイブン税制なんかは結構いろんな国にあるようです。 国際税務は国同士の関係を定めるものなので、また、どの先進国も所得が国外に逃げることを防止しようとしているので、日本だけの固有の仕組みではなく、世界中に同じような仕組みがあると言うことです。 日本の会社であっても、外国で所得があった場合には外国で税金を払うことが多いと思います。よくあるのが、フィーをもらう際に10パーセントや20パーセントの源泉所得税をひかれていると言うものです。 これらの税金は、一定の割合で日本の法人税から控除されるので、二重課税にならないようになっているわけです。 ここでよくある誤解が、日本で所得が1000万円で税金が250万円だった場合に、外国での所得が100万円で税金が30万円だったら、日本での税金は250万円から30万円を単純に引いて、220万円になると言うものです。 ちょっとわかりにくいのですが、そうではなくて、外国での所得に「日本での税率」をかけたものが、限度になります。 つまり、日本での税率が25パーセントで外国での税率が30パーセントなら、外国の所得100万円に日本の税率の25%をかけた25万円が外国税額控除の金額になります。 昔は、外国控除は当初申告で申告されていることが要件でした。ですので、最初の申告で外国税額控除の金額が漏れてしまうと、後で取り返しがつかないので、損害賠償ものでした。平成23年からは更正の請求で後からでも認められるようになったので、現在は大丈夫になりました。