本を読むという行為は、脳みそののエネルギーを使うかなり面倒な作業です。意識的にやらないと読む力も衰えていきます。
最近読んでいる鈴木大介さんの「脳が壊れた」という本に、脳梗塞をおこしてから、字を読むのがとても大変になる部分の記述があります。リハビリで脳に負荷がかかるので、漫画を読んでいても急激にすごい眠気に襲われるそうです。
鈴木さんは、このご自分の現象に既視感があるといっています。
例えば、貧困な状況であえいでいる女性を手伝って、生活保護を受けるために必要な所得証明などの書類を説明すると、高確率で「気絶するような勢いで寝」てしまうのだそうです。「ファミレスのシートで横になってしまう者もいるし、仏像のような半眼状態でフラフラと寝てしまう者もいた。公的な書類などを用意しても、5行読めればいい方で、音読してあげてもさっぱり頭に入ってかないようなのだ。」そうです。
この本の例では、脳に極度のストレスがかかって、神経が疲弊していたり、脳が傷ついているときにそうなるのではないかと言っています。
ここまで極端ではないかも知れませんが、誰でも、難しめの本を読んでいると眠くなる経験はあると思います。本を読んでいて眠くなるという現象は、自分の読む力が落ちている時に顕著です。
本を読むのはジョギングと同じで継続していないと、走る力が落ちていくのと同じように、読む力は落ちていきます。
税法やら会計の本もちょっと読まなくなると、読むとすぐ眠くなる体になってしまいます。本を読むのは、ただ、面白いから読むというのではなくて、意識的に毎日少しでも読む習慣にしていくのが良いのではないかと思いました。