ある税理士は47才になり、独立してもうすぐ12年になります。今でも時々独立してよかったのかどうか、勤めていた時の方が良かったのではないかと思うことがあります。今では、収入もやっと昔勤めていた時と同じくらいになりましたが、最初の3年は貯金を取り崩しての生活でした。それからさらに5年くらいは忙しくて、忙しくてプライベートのほとんどない状態でした。それでも、収入は前の職場には届かない状態でした。
こう考えると独立したことによって、その税理士は金銭的にも時間的にも得したというよりは、大きく失っていますし、パートナーにもしわ寄せが行っています。お金に関しても3年間の貯金を取り崩す生活がなかったら、もっと貯金が出来ていたかと思いますし、勤めていたなら、今よりずっとまとまって休みを取ることが出来たかもしれないです。
では、30代前半に戻ったら、今度は独立せずに会社勤めをしていたかと言えば、やはり独立していたように思います。でも、もしその当時に子供が生まれていたら独立はしなかったかも知れません。やはり子供がいると生活を安定させて子供が成長する過程環境は経済環境を整えなければならないと考える人が多いとおもいますが、経済的に困窮するリスクを伴う決断は採りづらかったと思います。また、住宅ローンがあったら独立していなかったのではないかと思います。
そうすると、独立するかしないかは、結局人それぞれの価値観や置かれた環境によるところが多いと思います。その税理士は、そんなに趣味の時間を持つよりは、もっと大きく稼ぎたいと思ってましたし(これは実現していませんが)、仕事に打ち込みたいと思っていました。また、当時は配偶者と二人だけで、配偶者も働いていますので、経済的なリスクをそれほどリスクとは思っていませんでした。自分の裁量で仕事をやっていく人生にあこがれていました。
でも、それは人それぞれの価値観で、プライベートの時間が大事と考える人もいますし、それよりは、お金だと考える人もいるでしょう。または、その両者のバランスが大事だという人もいると思います。
勤めていると、勤め先を選ぶことは出来ますが、ボスは選ぶことが出来ません。独立した税理士のほとんどはそれほどお客様を選びませんが、それでも、理不尽なお客様がいたらお断りすることは出来ます。そういう意味では、独立して多少の自由は出来ました。休む時間も自由に決めることが出来るはずです。でも、結局は今もお客様がいますし、そのお客様の要望が絶え間なく入ってきます。それに事務所で働いてくださる方がいるので、自分だけあまりきままにするわけにもいかず、結局は時間もあまり自由にはなりません。
こう考えると、勤めるか独立するかは、個々人が人生で何を大事だと思うかの価値観に大きく依りますね。
************************************************************
H27/7/1
最近忙しくて時間が足りず、仕事もプライベートも中途半端でダメダメです。もう少し、上手くコントロールしなくてはと思います。