外国法人の日本支店を作るのは意外に大変になってしまう場合があります。手続き自体はそれほど複雑でもないのですが、宣誓供述書というものをどのように作って、本国のどの機関で認証してもらうかというのが、国によって違うため、そこを上手く伝えるのが難しいのです。きっとここがキモなのでしょう。
宣誓供述書には、以下の情報を記載してもらいます。
会社名
設立年月日
所在地
代表者氏名
代表者住所
資本金
会計期間
会社の目的
日本における支店の所在地及び設置日
日本における代表者の住所及び氏名
日本において公告する方法
これを本国の認証機関に認証してもらいます。国によって制度が違うのですが、公の公証人がいればそこで認証してもらいます。外務省でやってもらう場合もあるようです。英語ではApostilleというようなのですが、それをお客様に確認してもらいます。ここが大変なのです。お客様は本国の出身ですが、そんなに本国の認証制度に詳しい人なんていません。私共は理屈で宣誓供述書は政府関係の公証機関でやってもらえるはずと思っていますが、それが具体的にはどの機関でやれるかというのをわからない場合が多いのです。
一度、韓国の会社の日本支店を作ろうとして、とても大変になったことがありました。
韓国の本国では、日本支店の設置に関する宣誓供述書は韓国ではできないので、「日本における」韓国領事館で宣誓供述書を作るべきと言いました。
それで私共やお客さんが領事館に問い合わせると、宣誓供述書を作るには日本における代表者が日本の在留カードを持っていることが必要とのことでした。この場合、日本人か既に在留カードを持っている方が日本における代表者になればよかったのですが、このお客様の場合は、日本の代表者は韓国の方で、初めて日本に来る方でした。
日本の入国管理局やビザ関係の情報を持っているJETROなどに聞くと、在留カードは日本における支店がないと取得できないとのことで、卵を得るためにはニワトリが必要で、ニワトリを得るためには卵が必要になりにっちもさっちも行かなくなってしまったことがありました。
さらに日本における代表者には外国人の場合でも居住者であればなることができます。その場合には、印鑑登録をしている場合には印鑑証明、ない場合にはサイン証明が必要です。サイン証明は通常日本におけるその国の大使館、領事館などで取ることができます。