自分でビジネスをやる人は誰でも薄々気が付いていることなのかも知れません。その会社の会計帳簿がきれいか汚いかというのは、ビジネスがそれなりにちゃんと回っているかそうでないかという事と相関関係があるように思います。もう少し言うと、帳簿がきれいな会社は、経営が比較的安定しています。多分、自分のビジネスが可視化されているので、マネージしやすくなっているのではないかと思います。
何となく想像できますが、一般論からいっても、私の経験から言っても、帳簿が汚い会社は大体だめです。と言うか、汚い会社でちゃんとやれている所を私は見たことがありません。個人でやっている様なところは、帳簿は年に一回つけるようなレベルでも何とかなります。そう言うところは、ほとんど全部の必要な情報が、社長の頭の中に入っているので、帳簿をつけていなくても、まあまあ思い出せるので、それ程は必要ないのだなと思います。
帳簿が汚い会社は、ビジネスを少し大きくしようとしても、自分の会社の状態がきちんと可視化されていないので、きちんとマネージできていません。自分の会社の状態が把握できていないという事なのでしょう。把握がきちんとできないので、途中で空中分解してしまうことが、自分の経験を振り返っても多いように思います。
会社が空中分解するというのは、悲惨なことです。下手をすると社長は追い詰められて自殺を考えてしまうし、家族はバラバラになってしまいがちだし、そうでなくてもストレスで、寿命が縮まるし、病気になってしまいます。
また、帳簿が汚い会社は、秘密(というかウソ)が多いことも多いです。秘密があることは、経営上必要な事ですし、何の問題もないのですが、多分、自分で秘密を多く作って行くうちに、自分で訳がわからなくなっていってしまうのかも知れません。
原因と結果の順番が、卵とにわとりの関係に似ています。どちらが先に来るのかは、わかりません。むしろ、上手くやっている経営者の方は、ちゃんと会社をマネージしようとする意識があるから、帳簿がきれいなのかも知れません。つまり、「帳簿がきれい → 経営が安定」、ではなく、「経営を安定させようとする(きちんとマネージしようとする)→ 帳簿がきれい」、という事かもしれません。
でも、きちんと自分の会社をマネージしようとすると帳簿をきれいにせざるを得ないので、帳簿がきれいになると、よりきちんと自分のビジネスをマネージできるようになるのは確かだと思います。
ですので、自分の会社を安定して成長させるために、きちんとマネージしたいと考える人は、最初の一歩を帳簿をきれいにすることから始めるのも良いように思えます。
特に、今まで、一人か2-3人でやってきたところが、さらに人を増やそうとするステージでは、帳簿の整備に手を付けてみるのがお勧めです。地味だし、目にみえる効果が出にくいし、ほんとに効果があるのかなとも思うのですが。。