事業はその成長に伴い売上が増えていきますが、粗利のレベルで会社のステージが変わってきます。
粗利(サービス業の場合は売上)の金額が2000~3000万の会社と5000~6000万の会社では雰囲気が違います。また5000万の会社と1億円の会社でも雰囲気が違います。2~3億円の会社も雰囲気が違います。
粗利が2000~3000万の会社はボスにパートタイムのアシスタントが1-2人いるくらいの会社です。ほぼ個人事業の会社です。個人事業としては成功と言えるレベルで、社長も平均したら800万から1000万円くらいは所得がありそうです。
粗利が5000~6000万円に到達すると、フルタイムの社員の方が3-4人はいるイメージです。事業体としての安定感も出てきます。社長がメインプレーヤーですが、社員の方にも仕事が出来る方が出てくるので、仕事の質も上がってきます。事業としては、既に個人事業のレベルは超えていて、独立開業してこのレベルまで来るのは、体感ですけど10%を切るくらいすごい事ではないでしょうか。
粗利が1億円くらいですと、業界にもよるのでしょうが、会計事務所ですとフルタイムの方も7-8人、パートの方も数名いる体制です。自然成長に任せてここまで行くのはまれではないかと思います。逆に言うと狙っていかないとこの規模まではなかなか到達できないと思います。
粗利2~3億円の会社では、私の知っているところでは、コンサルタント会社とIT関係の会社しか知りません。ちょっとサンプルが少ないのですが、1億の会社とは明らかに違います。実力のあるNo. 2、No. 3が会社に長く(10年とか)いてくれて育っている感じです。1億の会社とは組織の厚みが明らかに違う感じがします。所得の水準も上がっていて、トップだけではなく、No.2、No.3の所得も十分高くなっています。
この粗利が2~3億円の事業を作るには何が必要なのか、選ぶ業種が大事なのか、それとも業種に関係なく、経営の仕方(言い換えれば経営努力)で到達できる世界なのか、見ていきたいと思います。
個人事業でやるのもいいし、事業を大きくするのもいいし、これは個人個人の価値観の問題です。どちらが良いという事はありません。
ただ、以上に見たように、事業もその段階ごとに性質が違うので、段階ごとに次の段階に進めるのにやる事が違うのではと思いました。粗利で3000万から5000万へ、次に1億円を稼ぐ事業にするためにはどうしたらいいのか、さらに3億円にするにはどうしたらいいのか、お客様を応援する立場として一緒に考えていきたいと思います。
世の中には1億円の会社を作るのなんて簡単、などと言う本やコンサルタントもいますが、あまり真に受けない方が良いと思います。
会計事務所では売上1億円を達成するための塾というものがあります。税理士や会計士が他の士業や業種と比べてどれくらい恵まれているのか、もしくは恵まれていないのかはわかりませんが、そういう塾があって生徒さんが沢山ついているのですから、実現可能ではあっても簡単でないことはわかると思います。