5人くらいまでの事業では、とてもフルタイムの経理の人を雇う余裕もないし、このサイズで1人雇うのは無駄でもあります。でもやっぱり、会社は営業や日々のサービスを提供しているだけではだめで、やるべき事みたいなものは確かに存在していて、それをやらないと会社はどこかで行き詰ってしまいます。多分。 1. 月次の経理、業績管理 5人くらいになったら、月次の損益をざっくりとでも把握することが絶対に必要です。先月とか今月が儲かってるか儲かってないかわかってないと、そもそも経営なんておっかなくてやってられません。預金残高の増減で毎月なんとなくどれくらい儲かってるかはわかると思うのですが、実は決算して税金を計算する段階で、全然違った(赤字だった!)なんてこともよくあります。。 2. 毎月の経理からの解放。 社長の時間を帳簿付けとか、請求書の発想とか、月末の振込みなんかに使っていてはいけません。最初はもちろんしょうがないと思います。起業したてのころに人に人件費を払うなんてもったいないですし、むしろ、全部自分でやった方が会社のすべての流れを把握できるのでいいと思います。社長はお金の流れとか、バックオフィスの仕事の流れを把握している方が、会社が大きくなっても全社をきちんと掌握できます。 でも社員の人数が3-5人を超えたら、経理は誰かに任せるのがいいと思います。会計事務所をやっている私もはずかしながら社内のスタッフの方に任せてから、急激に自社の経理水準が上がりました。社長自らが経理をやっていると、お客さんの仕事をどうしても優先してしまうので、自社の経理が後回しになってしまうんですよね。私の事務所の帳簿も結構漏れがあったりでぐちゃぐちゃでした。 3. 翌月以降の売上と経費の予測を立てる、キャッシュフローの見込みを立てる。 翌月以降にどれくらいの売上げが立ちそうで、翌月以降にどれくらいのお金が入ってきて出ていくのかおおざっぱでもいいので、予測しておくことは重要です。その月の月末になったらお金が足りなかった!なんていう状況は最悪です。 4. 決算予想と節税対策 決算月の2-3か月くらい前になったら、決算予想と節税対策をしましょう。節税対策の多くは実際にお金を支払っている必要があります。家賃の前払いは翌1年分までは支払えば損金になります。でも実際に期末までに支払っている必要があるので注意が必要です。年度が締まって、税金の計算をし始めてからでは遅いのです。中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)も翌1年分の240万円までを先取りで費用にすることができますが、手続きを事前にしておかないとお金を払うこともできません。 このように、節税対策の多くは事前の準備が必要なので、2-3か月前に始める必要がありますが、さすがにこれは普通の経理の担当者だけでは、任せきるのはちょっと無理です。 5. その他に会社の規模が10-15人を超えてきたら CFO的な判断が必要になってきます。これも、現在の会計事務所に相談したらいいと思います。 例えば、会社の中に二つ以上の商品グループがある場合に、会社を別にするのも一つの手です。その商品やサービスの責任者がいるなら、新会社の株を一部もってもらえば、モチベーションも上がるでしょう。さらに、本体の会社で利益が出ている場合には、800万円を超える利益に対して法人税の税率は国税と地方税を含めて40%ぐらいになりますが、新会社を作れば、利益が800万円までは税率は約20%になります。 節税に保険を使うのはあまりお勧めではありません。退職金のタイミングに合わせて解約し還付返戻金を退職金に充てるなどの計画があれば、使ってもいいのですが、一般的には15-20%くらいは引かれて返ってくるので、ファイナンスの理論的には決して有利な取引ではありません。 この手の事は会社の業態によって、どのようなことが出来るかケースバイケースになると思います。 お付き合いのある会計事務所に相談したらいいと思います。 6. 最後にチェックリスト チェックリストにしました。現在の状況をチェックしてどれくらい出来ているか確認してみてください。出来ていないようなら、改善の余地があります。お付き合いしている税理士さん(会計事務所)に相談してみましょう。 1. 月次の経理、業績管理をしていること。 2. 毎月の振り込みや請求書の発行を社長自らがやっていないこと。 3. 翌月以降の売上と経費の予測やキャッシュフローの見込みをエクセルでつけている。 4. 決算の2-3か月前に決算予想と節税対策を行っている。 5. 戦略的な節税を行っているか。
Day: November 6, 2018
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