私は、会計事務所と言う看板で仕事をしていますが、一口に会計事務所といっても実は提供している役割は複数に及びます。これらは、お客様がお金を払ってくれている実際にニーズがあるものです。誰でもお金は無駄には使いたくないので、人がお金を払ってくれると言うことは実はすごいことだと思っています。これらのサービスメニューは一見地味ではありますが、お客様がお金を払ってくれる付加価値が生み出されているサービスです。
私たちの事務所以下のようなご要望をよく受けます。
会計記録をみて、何かアドバイスをしてほしい。
自社で帳簿をつけるので、その帳簿を毎月きてチェックしてほしい。
給与計算とその振り込みをしてほしい。
予算作成の手伝いをしてほしい。
請求書の発行と送付をやってほしい。売掛金の回収が遅いものは報告してほしい。
銀行振り込みをしてほしい。
支店登記、会社設立登記をしてほしい。
税務申告をしてほしい。
税務アドバイスに乗ってほしい。
支払いや通帳の記録を元に帳簿をつけてほしい。
逆に、私の事務所で積極的にその価値をプロモートしたいと思っている、
「綺麗な帳簿をつける」と言うのはあまりお客様からは言われません。
綺麗な帳簿というのは、お客様からしたらあまり価値のないものなのかも知れません。もしくは、私たち税務会計を日々の仕事にしているものにとっては、綺麗な帳簿というのは、間違いなく価値があるものなのですが、お客様にはあまりその価値が知られていないだけのものなのかも知れません。
確かにお客様から見ると、綺麗な帳簿に余計な手間やお金をかける必要性は薄いかも知れません。帳簿が綺麗でも売り上げは上がらないですしね。
確かにお客様は私たちに比べると税務とか会計については素人です。どのような経理が美しい状態なのかは、一度見ていただかないと納得して頂きにくいと思います。つまり、最初は未経験なので見ないとどのようなものがあるかは想像しにくいと思うのです。つまり、よく教科書的によく言われる「お客様にニーズを聞いても、お客様はニーズを知らない。」と言うのは、一部は本当かもしれません。
ですが、良いサービスは一度体験すればわかります。そのサービスが良いのか、悪いのか。自分に必要なのか、必要でないのか、一度体験すればわかります。お客様は、どのようなサービスがあるのかわかれば、何が自分たちにとって必要なのかはわかるのです。
綺麗な帳簿というのは、綺麗に掃除して整理整頓されたうちのようなものです。綺麗な帳簿は風通しをよくするし、自社の経営状況を適切に表します。
綺麗な帳簿は小さな会社を幸せにするのです。
自分だけのスタートアップから社員2〜3人の事業規模へ、そして10人の規模へと会社が成長するにしたがって、会社の財務・会計部門に求められる能力は変わってきます。しかし、整理整頓された綺麗な帳簿の重要性はずっと変わりません。
目につきにくい分野ではあるかも知れませんが、この分野を私たちの事務所では、綺麗な帳簿の価値をプロモートしていきたいと思います。
では、綺麗な帳簿とは何でしょうか?
BSについては補助勘定が全てある。不明な残高がない。
PLは発生主義でついている。支払いは主なものについて未払金を通している。売り上げは売掛金を通している。
請求書などの元となる資料が揃っている。元となる資料に簡単に参照できる。
雑費を使わない。
試算表が月末から10日以内に出てくる。
作成者と別の人がレビューしている。
正確性。
さらに、綺麗な帳簿は生かさないと勿体無いので、
これを、経営の指標に毎月使っている。
毎月、会計事務所担当者の訪問がある、
なども十分な価値になると思います。そう考えると、ITなどで技術が変わっても、提供する価値は昔からあまり変わっていないですね。