ヤマト運輸の中興の祖である小倉昌男の「経営学」という本を本棚から取り出して、久しぶりにパラパラとめくってみました。その中で、小倉昌男が牛丼の吉野家の経営で、商品を牛丼一本に絞り込んだ話に感銘を受けたことが書いてありました。 商品を一本に絞り込むことで、仕入れ単価も下がるしバイトでも簡単にメニューが作れるようになり、吉野家は利益が出る体質になったというのです。 そこで、ヤマトもそれまでの企業向けの大口の物流から一般消費者向けなどの小口の宅配に大きく舵を切り事業を。そして、事業が大きく成長したと言います。 ですが、世の中みんなが知っている通り、実際には、今日の吉野家もヤマトも事業を一本に絞っていないように見えます。吉野家には牛丼だけではなく、牛鍋定食も豚丼もあリます。一体、事業を一つに絞るのがいいのでしょうか、それとも、関連する範囲で、または、関連しなくても、利益が出るのであれば色々やる方がいいのでしょうか? 私の思うこの問いに対する解答は、一人なら1種類に絞るべき。複数人でやっていて、既存のお客さんからのニーズで自分の本業以外の問い合わせがあった時に、誰かにお願いできるなら、それを受けてもいいということでしょうか。 やはり、一般論としては、事業規模が少人数の場合、特に自分一人とアシスタントと二人のような場合には色々と手を出すべきではないということでしょう。自分や自分の会社があえてやらなくても、世の中には自分たちよりその事をうんと上手に出来る人達がいます。他の誰かがより上手く出来ることは、その他人の会社に任せてしまって良いのです。世の中は広いので、自分が得意でないことは、あえて自分がやる必要性は世の中の道理としてもありません。 例えば、私どもの事務所でビザの事をよく聞かれるので、自分たちでやってもいいのではないかとも思ってしまったりもします。でも、待てよ。よく考えると、ビザのことは自分たちより上手に出来るところは沢山あります。そこが儲かってて、それをみて参入するならともかく、そうでないなら、経験が足りなくて、効率も知識も足りない自分たちがやる必要はないのではないか、と思うに至りました。
Day: May 15, 2017
事業の成長・経営, 未分類