小さな会社が大きくなるには、営業力だけでは時間の無駄です。営業はどうしてもお客さんの欲しくないものを、無理矢理売るというイメージが付きまとってしまいます。いくらやったって、あんまりいい顔はされないし、成果は出ないし、たいていの場合は疲れて消耗するのが関の山はないでしょうか。
営業力はもちろん重要なのですが、それと同じくらい重要なのが商品力です。商品力がなければ押し売りになってしまいます。しかし、商品力があれば、営業活動の意味が「良いものの周知」という事にがらっと意味が変わってしまいます。つまり、押す側から、商品を周知することによって、多少なりとも、求められる側になるのです。私もここが良く分かってなくて、もったいない時間の使い方をしてきたなと思います。
つまり、やはり営業は(特に最初のうちは)大事なのですが、商品のちからがすごく重要なのです。
会計事務所の提供するサービスが記帳代行、給与計算と、過去の実績である数字をまとめて税務申告書を作るだけのものと考えると、業務は正確であればよく、誰がやっても同じであるという事になります。誰がやっても同じなら、値段と営業力が勝負と言う事になってしまいます。サービスの内容に差が付かないのですから、そのサービスが欲しいと思ったときに、付き合いがあったとか、知り合いに紹介してもらったとか、ネットで情報がトップに出ていたなどの、リーチが長い人、つまり、営業力の勝負になってしまうのです。後は、値段の勝負に陥ってしまいます。
しかし、商品力が異なるとゲームのルールががらっと変わります。
あなたの商品力が上がっていくと、今度は逆にお客様があなたを探すようになります。命にかかわる手術や人生がかかった訴訟は、やはり一流の人(一流の病院や事務所)にお願いしたいと思うと思います。まあ、そのレベルまで行くのは大変でも、狭い分野に努力や時間を集中して、その限られた分野での一流になるのは、ある程度可能なのではないかと思います。
そういう意味で、営業力だけ頑張っても、疲れる割にはあまり成果が上がらないかも知れません。営業も商品もどちらも重要なのですが、商品力、つまり、自社の商品やサービスのレベルを上げること、他にない能力や品質をつけるために努力することは重要なのではないかなと思います。
独立したばかり人は、最初は営業が重要です。とりあえず、日々の食い扶持を稼いで来なくてはなりません。でも、一生懸命、あちこちに顔を出したり、ネットで宣伝したりしてやってるうちに、きっと段々忙しくなってきます。私自分の反省点で後悔でもあるのですが、忙しさに対応するだけで反応的な仕事、いうなれば受け身で場当たり的な仕事の仕方をしていると、あっと言う間に5年くらい経ってしまいます。その時に、日々の忙しさにかまけずに、ブログを含めてリーチを広く長くする周知行為だけに力をいれず、自分の能力や専門性を上手く経験に取り入れて成長させていくことが重要だったのではないかなと今になって思います(気づくのが遅い。。)。