日本でも有数の独立系会計事務所を経営している古田土先生の中小企業経営の本です。彼の事務所は現在社員数で100人超、売上でも15億円を超えているそうです。会計事務所で一代でここまで成長したこの規模は驚異的です。独立開業した税理士の100人に1人はおろか1000人もこんな大きな会計事務所になっているところはないのではないかと思います。
会計事務所に限らず(むしろ会計事務所は恵まれている方だと思いますが)、会社を10人の規模にするのでさえ並みの事ではありません。別に大きくすることが良いことだと言っているのではなく、規模を目指す・目指さないはそれぞれの事業の持つ特性や、個人の働き方やライフスタイルに対する考え方にもよると思います。どういう起業形態をとるかは、個人の価値観の問題でもあります。それでも、もし規模を目指す場合に、会社が10人の規模になり、その人たちの生活の糧となる価値を創造し続けるというのは、大変なことだと思うのです。
3人の会社
1人の会社が3人の会社になるのも、それなりに大変です。一人だけでも食べていくのは大変なのですから、3人分の仕事をとってくるのは、相当の努力と才能がないと出来ないことではないかと思います。
最初はどこも1人から始めます。1人の会社が3人の会社になるのは、大変ではありますが、それなりによくあります。社長やそのパートナーなどの能力や営業で仕事してほしい思う人や会社がいるのです。社長は自分の才能や能力を商品にして仕事を採ってきて、自分で自ら仕事をこなしているのですが、段々仕事が増えてきて忙しくなり、手が足りなくなってくると、そこでアシスタント的な人を雇ったりします。
多分その業界で平均して5人の中では1番くらいの力がないとできません。偏差値でいうところの60くらい(適当です)の位置でしょうか。小さなコンサルティング会社や会計事務所だったとして、他の競合と比べても能力的に十分に良いと言えるくらいの力が必要でしょう。
10人の会社
3人が10人になるのは、今度はさらに別の意味で大変です。10人分の仕事があるという事は、社長の個人的な能力を離れた、それなりに差別化された商品がないとできません。個人の力だけでここまで来るのはちょっと無理です。一緒に働くメンバーの力が必要です。でも、この段階では、まだ社長の個人プレーに近いです。ここからさらに成長するには、私の見てきた範囲では、右腕となってくれるような人が絶対に必要のようです。社内でのトレーニングも必要になってくるでしょう。
30人の会社
これがさらに10人から30人になるという事は相当なことです。30人の会社というのは、業界でも名前が十分知られています。ニッチな業界であっても3番とか4番手くらいのサイズ感があり名前が知られている、というのが、実際のお客様を見てきた私の実感です。
粗利の規模でも3億円はある会社という事ですから、それなりのサイズです。仕事の量は到底社長一人の力で仕事をさばけるレベルではありませんから、商品が差別化されていて、会社が組織だって動いているという事でもあります。
また、この規模ですと、ナンバー2の存在が必ずあると思います。
るという事は、商品のに魅力があるという事はどういう事かと言うと、別の言葉でいうと差別化されている商品があるという事です。真似をするのが個人の力では
「社員第一主義」と経営計画書
この本では、小さな会社では社長は「社員第一主義」、社員の幸せを第一に考えるべきと言っています。そして、そのツールが「経営計画書」だと言っています。なんといっても、この話がすごいのは、実証済みだという事です。開業から33年、毎年増収増益だそうです。
実証済みの話ですから、もっと話をきいて、私も実際にやって見たいと思ってしまいました。