地味で当たり前の内容なのですが、著者ご自身の話なので面白いと感じます。
著者はフロリダのビーチで楽しくチャラチャラしたかったので、大学を辞めて、ニューメキシコ州の実家からフロリダに引っ越しました。夢の生活が待っていたかと言うと、実際の仕事はゴルフ場の芝刈りの仕事で、そこにゴルフをしにくるお金持ちをみては、自分と彼らの立場の違いにストレスを感じていたそうです。
ある日一念発起して大学に戻り、MBAをとって会社で数年働いたのち独立、太陽光発電事業で大成功するもその後に倒産、そこからやり直して今はビジネスは安定しているのだそうです。
その著者が書いた本がThe Slight Edge。少しずつ積み上げましょう、と言うような意味でしょうか。
著者の引き合いに10年くらい前にすごく売れた「となりの億万長者」の話がよくでてきます。著者がびっくりしたと言うのがお母さんの話です。シングルマザーで福祉の関係で働いていたためお給料も良くなかったのに数人兄弟を育て上げました。ある日大人になってお母さんとその「となりの億万長者」の話をしたら、私も数億円貯金があるわよと言われたそうです。
著者は自分の母親が貧乏ながらも質素に自分たちを育てくれてたと思っていたら、実際にも裕福ではなかったのでしょうが、そんなに多くの貯金を持っていた。複利の効果に改めて驚いたと書いています。実は自分のシングルマザーの母親が「となりの億万長者」でした。
お金に限らず、時間や勉強、健康や人間関係、全部少しずつの積み上げだと言っています。良い時に全部を無駄に使ってしまってはダメです。良い時でも、コツコツと積み上げましょう、と言っています。私は、贅沢をする必要は無いけど、お金は使うことも必要だと思っています。
人生はダメな時もあります。失敗してしまう時もあります。
残念ではありますが、失敗は誰にでもあります。相手にできるだけ迷惑をかけないようにして、被害を最小限に押さえましょう。
そして、また、毎日少しずつ積み上げて、いつか取り返せばいいのではないでしょうか。
著者が想定している読者がアメリカの成功していない層をターゲットにしているからでしょうか。英語がすごく平易で読みやすいです。