帳簿をきれいにするとビジネスが上手く行くし、自分も幸せになるというのが、私が10年以上税理士業をやって来た上での経験論であり、持論です。では、帳簿をきれいにするにはどうしたらいいか?また、そもそも、帳簿がきれいというのはどういう状態をいうのか?
あんまり、ハイレベルな事をいきなりやっても疲れて挫折するだけなので、できることから始めるのがいいと思います。
(1)チェックリストを作る
まずは、エクセルでチェックリストを作りましょう。チェックリストは、最初は2-3項目のすごく簡単なものでもいいです。まず、チェックリストを作って毎月の締めで、何をチェックしたのかを記録するようにすると、だんだん、チェックリストが充実してくるので、モチベーションも保てます。月次の締めが終わった日付が入るようにするといいと思います。
(2)銀行残高を合わせる・借入金の残高を合わせる
まずは、簡単なことですが、通帳を記帳するか、インターネットバンキングをやっている場合は、残高がわかるところを打ち出して、残高を合わせます。チェックリストには、チェックを忘れないようにしましょう!
(3)BS科目の残高にはすべて補助勘定を設けて、残高を全部どれかの補助勘定に割り当てる。
BSの残高は残って繰り越されていくものですから、それが何であるか一目でわかるように補助科目をつくって、残高をそれぞれに振り分けましょう。ここでポイントとなるのは、ちょっとわからないものを、「その他」とか「指定なし」みたいにして、あまり後回しにしないことです。
例えば、売掛金でしたら、残高はお客様ごとに把握するのがいいと思います。100件や200件くらいあっても、補助科目はすべてのお客様ごとに作るのがいいと思います。そして、残高を毎月確認すること。よくあるのは、お客様からの振込の際に銀行の振込手数料が864円引かれているのに、入金した金額しか残高から引かないことです。そうすると、翌月に売上が立った時に、補助残高の内容が、その売上プラス864円になってしまうので、金額が不正確になってしまうのです。これが何か月も続くと塵も積もればで帳簿が汚くなっていきます。相手を銀行手数料にしてきちんと落としましょう。
補助勘定が多すぎて一個一個作るのが合理的でない場合は、表を作って、かならず表の合計金額と勘定の残高を合わせるようにするのも、一つの方法です。
(4)源泉所得税と社会保険料の預り金はきちんと合わせる
ここは、給料に関係する部分なので、計算があまり適当だと従業員の皆様からの信用に響きます。源泉所得税は、7月10日と1月20日の源泉所得税の納付の時点で一度0円になっている様にしましょう。何かの理由で0円になっていない場合は、相手が社員の給与の支払額である場合は過誤徴収、相手が納付先である税務署の場合は過誤納付と理由を分けて補助勘定を作り、残高をそこに移しましょう。
社会保険料は住民税も同じです。社会保険料の預り金は、社会保険料が引き落とされる月末に0円になるように、住民税は納付時点の翌月10日には残高が0円であることを確認しましょう。
この3つも大事なので、チェックリストに追加をお願いします。
毎月の決まった経費項目(売上も)
毎月の給与は人別で、経費も毎月ある家賃や電話代、水道代、インターネットなど補助科目を作りましょう。毎月の締めのさいに、横で比較すれば何が計上漏れになっているか、一発でわかります。
誰か第三者にチェックしてもらう事
このような項目をチェックリストにしてちょっとずつ増やしていくと、チェックリストが充実してきます。が、これをいつまでも一人(例えば経理の担当の方)だけでやると、どこかで段々めんどくさくなってきて、チェックがおざなりになってきます。ビジネスの規模がある程度になってきたら、誰かにチェックをしてもらうことが必要です。
税理士か誰かとチェックリストシェアして、一緒にチェックしてもらうと、帳簿が綺麗によみがえります。