専門分野で資格を持っているということはありがたいことです。資格を持って仕事をしている人は、普段はそれが当たり前になっていると思うので、そういう事に普段はあまり気が至りません。でも、自分で仕事を何かしようとすると、人に信用してもらうということがとても大事になるのです。
仕事をお願いするということは、お金を払って何か大事なことを他人を信頼して託するということです。専門職である弁護士や医者の例をみるとわかりやすいと思うのですが、自分にはよくわからない理解できない専門的なことを、この人はちゃんとやってくれるだろうと、こちらが想像するからお願いするわけです。
専門的なサービスだけではなく、車や家などの「もの」でも同じです。トヨタや日産というブランドや、建築士や工務店として長くやってきているという信頼があるから大きなお金を払えるのです。これが信用がなかったら、こんな大きなお金を怖くてとても払えません。
この人に信用してもらえるということがすごい事なのです。
そういう意味で税理士という資格は大変にありがたいものです。税務の分野に関しては少なくとも多少なりとも普通の人よりは知っていると人に信用してもらえます。
独立して13年が経ちますが、その間に税務以外にも他に色々なことをやりたいと思いました。でも人に信用して任せてもらえるというのは、簡単なことではありません。システムをいくつか作ってきましたが、人に信用してお金をいただけるようになるまでには、長い長い道のりがあります。ましてや、会計システムの場合は大事なデータを預けるわけですから、こちらの本気度を信用してもらわないと、全然使ってもらえません。
これは、自営業に限ったことではありません。就職・転職する場合でも同じでしょう。簿記や税理士科目の合格というのは、その人がそれなりの努力をしてきて、それなりの力あることの証明になっています。他人は面接だけで、その人の人となりや実力なんて測りきれるわけがないのです。どうしても、学歴や資格を考慮せざるを得ないと思います。学歴も良い大学を出ていれば、それなりに頭も良くて理解力がある人だと思ってもらえます。
こういうシグナリング効果を自分で創出するのは、何年もの時間と実際の努力と実績が必要です。これを実際にやるのは、とても大変です。資格や学歴は既存のものなので、そこに達してさえしまえば、人はそれなりに信用してくれます。
そう考えると資格や学歴って効率のいいすごい投資のように思います。一般論ですけど。。