税理士と言う税務・会計のプロフェッショナルにとって、仕事の分野はとても多くある。記帳代行もあれば、給与計算もある。相続や不動産に特化した人もいれば、国際税務や語学を活かした分野に進んだ人もいる。 陸上選手が、100メートル走だけでなく、400メートルハードルという選択肢があるように、税理士にとっても生き残る道は沢山ある。 100メートル走はとても競争の激しいところで、ほとんどの人が努力だけで日の当たる場所に出られることはない。どんなに毎日努力しても、ほとんどの場合ダメなものはだめだ。持って生まれた肉体的な能力があまりに違う場合、努力だけではいかんともしがたいことがあるのだ。 その場合に、人は自分を責めてしまったりすることが往々にしてあるが、自分の努力不足が原因ではないことが、もっと言えば、努力してもどうにもならないことが世の中には多いのだ。 私は、このようなスポーツや芸術のような華麗な才能が苛烈な競争をする世界と違い、ビジネスの世界ではほとんどの事は、努力で何とかなると思っています。でも、無理なゲームは早めに見切ってやめないと、仕事で人生に疲れてしまいます。 その最たるものが、高い家賃と人件費でしょうか。そしてそれらを賄うための給与計算や記帳代行の仕事は、自分を苦しくするだけです。もし仕事を拡大しようとしてそのようなループに入ってしまったら、周りの人に迷惑をかけないように状況を見ながら徐々に撤退していくとしても、早くそう言うループからは抜けなくてはいけないと思います。 では、自分が幸せに働くことのできる分野をどのように見つけるか。やはり、周囲を良く観察しながら、人が少ない専門性のあるところかニッチな所に生きるのが良いのでしょうか。100メートル競走ではなく、400メートルハードルを選択するように。
Day: August 5, 2016
小規模企業で人を採用すると、誰もが給料の支払い方に悩みます。いったいお給料とはどのように決めるのが正しいのでしょうか?何か、とりあえずこの法則に従っておけば大きくは外さないというような、経営学の教科書にかいてあるような、セオリーのようなものはあるのでしょうか。 もらう側も、自分のお給料がいつも十分であると感じていると言うことは少ないと思います。自分はこんなに働いているのに何でお給料がこれしかないんだろうと思うことは良くあります。私も勤めているときによくありました。給料が上がるか下がるかは交渉のやり方によるところが多いんじゃないかなーとか想像しちゃったりして、なにか公平に決まっていないんじゃないかと思っていました。もしくは、上手く交渉すればお給料は上がるんじゃないかなとか。 払う側はどう思っているかというと、やはり給料の金額についてはいつも悩んで(?)いると思います。悩むと言うと大げさですが、やはり、この人に対する給料は高すぎるのではなかろうかとか、安すぎると思っていないかなとか、色々思案してしまうところではあります。 給料は安すぎるのは良くないのは事実です。そもそもビジネスの社会では他人同士の関係が前提です。お互いにメリットを提供しあえなければ成り立ちません。お給料が安ければ安いほど良いというのは、自己中心的で子供っぽい考え方です。安ければ安いほど良いというのは、相手の犠牲のもとに自分が得をしようという考え方ですから、長続きしないのは言うまでもありません。 逆もまたしかりで、もらう側から見てお給料が高ければ高ければ良いというのも長続きしません。払う側のメリットがなければ長続きしないからです。 そして、雇用と言うのは不思議なもので、簡単に代替できる経営資源ではありません。長く働いてくれればくれるほど、かゆい所に手が届くようになってきます。売り上げなどのように数値では簡単に測定できないけれども貢献してくれている部分が増えてきます。 また、働く側も長く働けば職場環境にも慣れるし、持ち運びが可能でないそれぞれの職場や会社固有のお客様のくせや仕事のやり方などの個別の場に属する情報もわかってきます。なので長く働くほど、コツもわかって効率も上がります。 つまり、上手く状況をマッチさせてお互いがメリットになるように給与システムをデザインして、長く働けるようにすることがお互いのメリットになるのです。 採用するときにその人の能力を面接だけで見極めるのは、普通は無理なので最初から高い給料をつけることはリスクが高いです。しかし、最初に提示する給料が低いと応募自体が少ないか、自己評価の低い人しか来なくなってしまいます。 つまり、募集時に提示する給与は世間並みにしておいて(これは求人誌や求人サイトを見るとわかります。)、あとは、出来るだけインセンティブの部分を大きくするのが良いと思います。インセンティブの部分を大きくすれば、自動的に給与が低すぎることも、高すぎることも調整できるし、一定の基準で全員にそれを適用すれば、不公平な感じも無くなると思います。