USCPAは日本の職場であまり役に立たないと言われることもあるようです。 わたしは、そんな事は無いと思います。 USCPAを取得してアメリカで働いてきた方と話をすると、会計の考え方みたいなものは世界共通だなと、結構いつも思います。 まず、脱税や虚偽表示などの不正に関する考え方。経営者にとっては自分にとって望ましい自社の数字の数字と言うものがいつもあります。銀行からお金を借りている場合は利益を多く見せたいし、利益が大きくて税金の負担が大きい場合には利益を小さくしようと努力します。合法の範囲で出来るだけ経費を先に払ったり、売上をできるだけ先送りしようとします。 税理士や会計士などの会計プロフェッションは、業界の倫理規則や法律で規制されています。脱税や粉飾の手伝いをしてしまえば、資格のはく奪や刑罰などの大きな代償を払うことになります。なので、そんなことはしたくはありません。他方で、税理士や会計士はお客様からお客様から報酬をいただいています。お客様の要望をまったく聞かないのでは誰のために働いているのかわかりません。 そういうジレンマは倫理の科目を通して、USCPAの方はよくわかっています。そういう難しさに触れるところまで、簿記だけやっているのと比較して、視野が広い気がします。 また、保守主義が望ましい理由や、発生主義、費用収益対応の原則など、日本でもアメリカでも会計に根本的に要求される原則は似ています。 USCPAを持っていると、日本の税務は置いといて、会計の基本原則や最近の会計処理の流れは理解している。また、英語もある程度はできる。「プラス」、そういう倫理的な難しさがあると言う事までわかっていると評価されるように思います。また、資格を取れる知的な理解力と継続した努力ができる方だと評価されるので、日本の法人税や消費税は、本を読めばそれなりに自ら習得できるはずだと判断されている様に思います。 わたしは、その方が日本の税務にも興味を持っていただけるのなら(実はここが難しいのですが)、日本の会計事務所でも活躍の場があり、結構キャリアを積めるのではないかと思います。
Day: May 21, 2016
キャリア