独立するのにどれくらいの貯金があればいいのでしょう? 結論から言うと、既に収入のめどがあるかどうかで違うのでしょうが、お客さんが全くないところからはじめるのであれば、出来れば2年分の生活費分の貯金があった方が良いと思います。 私の場合、会社員をやめて、無謀にもお客さんゼロの状況から始めました。しかも、勤めている間に営業活動はゼロでした。独立して、いきなり事務所を借りて、最初のお客さんが取れたのが、開業してから2か月目くらいで、月に8万円くらいのその会社の経理代行のような記帳代行の仕事でした。 次にお客さんが取れたのが、3か月目くらいで、1万5千円くらいの記帳代行の仕事でした。その次の仕事が月2万5千円くらいの仕事で、4か月目でした。 月の売上が30万円くらいになるのに10か月くらいかかったと思います。最初の年の売上が300万円くらいでした。段々、お客さん獲得のコツがわかってきた2年目もそんなに一気には増えず、年間の売上がおそらく600万円くらいでした。これでも経費が家賃を含めて月に15万円くらいはあったので、やっと貯金が減らなくなったのは、2年を過ぎたあたりからだったと思います。 これは以前に勤めていた会社が証券会社で、税理士業務と全く関係が無かったので、私の提供できた付加価値が少なく、差別化が出来る要因が少なかったこともあると思います。それに、特にコネとか人脈も全くなかったところからのスタートだったのも時間がかかった理由でしょう。 でも、私のようなケースは、おそらく、良くも悪くもなく、平均的な税理士としての起業のイメージだと思います。もっと付加価値の高いサービスを提供して、いきなり黒字になっちゃう方もいるでしょう。例えばずっと不動産業界にいたとか、前の職場でも企業再生をやっていたという場合には、独立しても前の職場での経験が生きるので、付加価値の高いサービスが提供できるでしょう。また、前職での業界との人脈もいきると思います。 でも、きっとそういうのは少数派なケースで全体のうちの10%とか20%くらいでしょう。大抵の人はゼロから始めていると思います。 だとすると、やっぱり軌道に乗るまでは2年くらいはかかるので、2年分の生活費の貯金は必要です。自分は大丈夫、営業もうまいと思っている方、その自信は大事です。でも、過信も禁物です。 既に何らかの業界にコネクションのある方、付加価値の高い売れる能力や経験がある方は、貯金なんかそんなになくても大丈夫です。でも、そういう方は前職でも既に評価されているはずだから、貯金もそれなりにあるかもしれないけど。 **************************************************
Day: May 2, 2015
会計事務所独立・経営