3月決算の会社ですと、1月くらいから決算予測を始めます。この調子で行くと、売上がこれくらい、費用がこれくらいになるなので、利益がこれくらいになるだろう、というやつです。
利益が出ていると多額の税金を払わなくてはいけなくなるので、多くの会社が決算準備をします。私が知っている範囲で代表的はものは以下のような感じです。その他にも、私が知らないだけで細かくは色々あるのでしょうが、節税対策はどの会社にとっても関心事項なので、結局はどこの会社も(どこの税理士も)やっていることは似たり寄ったりのように思います。
ただ、お客様の話を聞くと前の税理士はこんなこともしてれくれたとか、こんなこともOKと言ってくれたとか、強烈な話を聞くことがあります。まあ、それは例外的な税理士であったり、お客さんが我々にプレッシャーをかけようとしてる意図があるものとして、はなし100分の1くらいで聞いています。
<効果の細かいもの>
消耗品などの必要なもの、プリンターのトナーとか、古くなったPCを新しくまとめて買っておくなど。消耗品は買いすぎると、貯蔵品として否認を受けることになります。トナー50万円分とかはやめた方が良いでしょう。
<大きいもの>
家賃の1年前払い:
結構大きいと思います。家賃30万円の会社なら360万円、100万円の会社なら1,200万円利益が先送りされます。注意すべき点として、毎期定期的にやる必要がありますので、1年払いなら翌年も、半年払いなら半年ごとに定期的に家賃を支払う必要があります。これは、なかなかいいですよ。私もやってます。事務所の家賃はどうせ払わなくてはいけないので。デメリットは先払いしすぎて、転居のタイミングが縛られることぐらいですか。
生命保険の前払:
昔は払ったときに支払額の100%が費用になって、後で90%くらいが返ってくる、利益の先送り保険がありました。でも今は、50%損金が限度です。また、解約して保険返戻金が返ってきたときに所得にカウントされるため結局は法人税がかかります。実質返戻率が100%を超えるなんて保険の説明書に書いてありますが、信じたらだめです。返って来る時には法人税がかかるので、支払う保険料の10-20%を保険会社に払うだけの納税の先送りです。しかも、日本の実効税率は最初の800万円までは、25%に満たないので、浮いた法人税が保険料になっているだけです。
セーフティー共済:
(昔の倒産防止共済)毎月の掛金が20万円まで、損金になります。1年分を一括前払いしてすべて損金にすることが出来ます。40か月継続すると、解約しても100%のお金が戻ってきますが、これも解約すると返ってきたお金が全部益金になります。これは、結構いいです。私のお客様でもやっているところは多いです。
旅費日当:
内容が微妙なので今度書きます。基本は、会社で旅費規定を作り、それに則って精算し、実費清算はやめます。
ソーラーパネル:
これもH27年3月くらいまでは十分に意味のある対策でした。が、今後は電力会社の買い取り価格も下がってくるので、節税以前に金融商品として、ちゃんとリターンが十分な金融商品であるかどうかを吟味した方がいいと思います。これは、最少単位が2500万円くらいからのようなので、私のお客様にはほとんどいません。
決算期の変更:
これは結構、大技です。何回も出来るものではありません。何回もやると、同族会社の行為計算否認されちゃうかも知れません。
簡易課税の選択:
効果は大きいのですが、一度やると2年は戻せないので、よくよく吟味が必要です。逆に効果がすごすぎるので、税理士は良くこれで訴えられています。期限を過ぎると、後からは出来なくなり、事前の届出が必要です。私もこれでよくひやっとします。
<逆にこれをやったらアウトです>
現金販売での、売上の除外。仕入の除外。
売上のタイミングをずらす。
取引先に言って売上げや経費のタイミングを変えてもらう
個人の経費を突っ込む
消費税の免税事業者となる資本金1000万円未満の会社を2年のおきに作る
税務調査が来る会社は結構決まっていて、利益が出ている会社か、消費税の還付が大きい会社(300万くらい?)です。税務署の方はあまり言いませんが、やっぱり調査の結果税金が増えないとダメなんでしょう。