サービス業の税務調査で仕掛品の未計上を指摘された場合にどうするか。

春になってきました。無事に確定申告の忙しい時期を終えることが出来てホッとしています。

税務調査で仕掛品の未計上を質問されました。あるコンサルティングのプロジェクトで売り上げが上がっていないのに、コンサルタントの給与が仕掛品として資産に計上されず、費用に上がっていることを言われたのです。

では、この場合に必ず仕掛品に計上をしなくてはいけないのでしょうか。

基本通達を見ると以下の様になっています。

2-2-9 設計、作業の指揮監督、技術指導その他の技術役務の提供に係る報酬に対応する原価の額は、当該報酬の額を益金の額に算入する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が継続してこれらの技術役務の提供のために要する費用のうち次に掲げるものの額をその支出の日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加)

(1) 固定費(作業量の増減にかかわらず変化しない費用をいう。)の性質を有する費用

(2) 変動費(作業量に応じて増減する費用をいう。)の性質を有する費用のうち一般管理費に類するものでその額が多額でないもの及び相手方から収受する仕度金、着手金等(2-1-12の(注)の適用があるものに限る。)に係るもの

なかなか寛容な規定ではあり、また、企業会計の実務に考慮した規定です。一般の事業会社では製造業でもやっていない限り製造原価報告書を作りません。したがって、未完成のプロジェクトの分の人件費を集計しないことが多いです。ですので、このような指摘(?)をされることが多いと思います。

税法は、税法や施行令などの法律で決まっていない限りは、企業会計のルールに従います。これは法人税法22条にも書いてあります。売上の基準は実現主義、費用は発生主義で計上するのです。あらためて、なぜ通常の企業会計ではサービス業で仕掛品を計上しないことが多いのか考えてみました。

私は長年、税務をやっていて、会計学の基本的な部分がちょっと曖昧になってしまいました。税務をやっていると、税法の規定にばかり目がいってしまい、そもそも論の会計が曖昧になってしまっていたのです。

結論としては、やはり社員の給与は固定費的なものなので、直接原価的な考え方よりは、期間費用であるという考え方が背後にあるのではないかと思いました。

ですので、税務調査でそのようなことを指摘された場合には、法人税法22条に立ち返り、企業会計ではどうなっているのか、また、その際には基本通達2-2-9をよく読んで、その射程がどうなっているのかを検討して、税務調査官の方にその旨を伝えて検討してもらうのが良いように思います。

節税では奇抜な事よりも基本的なことの方が重要

適格株式移転について相談

株式移転は、既存の会社Aが新設で親会社Bをつくり、Aの株主はBに持ち株を移転する代わりに、Bの株式を取得すると言うものです。

お客さんから相談があり、現在非常に上手く行っている会社(仮に甲社)の株式を適格株式移転して持ち株会社をつくり、その持ち株会社の傘下で別の新しい会社(乙社)を作って、そこで新しい事業を始めたいとの事でした。

適格株式移転と言う言葉がお客さんから先に出てきたので、ちょっとときめいたのですが、目的からひも解くと、要はポイントは二つ。現在利益が出ている甲社の資金を新しい事業に使いたい。ただし、資金を出すときに報酬や配当などの形で税金がかかるようにならない様にして欲しい。また、現在の会社と別のメンバーと一緒にやりたいので既存の会社と別の株式を持つことでモチベーションを高めたいとのことでした。

目的がわかれば、株式移転を使ってわざわざ会社を2つ作る必要があるかどうかは、他の目的も考えておのずと明らかになってきます。別に、親会社を作って、甲社と乙社を持たせる必要はなく、甲社から株主への貸付金でも十分目的は果たせるかも知れません。

確かに合併や会社分割、株式移転・株式交換などの単語はかっこよくもあり、惹かれるものもあるのですが、これに飛びつくことなく、実質を良く考えた方が良い場合の方が多いでしょう。

節税では奇抜な事よりも基本的なことの方が重要

先日、節税の相談をされて失敗してしまったのですが、節税の方法には一般にウルトラCはありません。課税される所得が魔法のようにぱっと消えてしまうことはないのです。それよりは、地道にそのお客様の置かれている状況や財務諸表をもう一度確認することが早道です。

そのお客様は退職金を払う状況にあるかもしれません。PCなど古くなった細かい備品を買い換える必要があるかもしれません。また、財務諸表を丹念にみると、滞留している不良債権があるかも知れません。これらが税法上で貸倒処理できるかを丁寧に見る方が、結局は変なリスクをお客様に負わせることなく、十分に節税をすることができることが多いです。

もちろん、ちょっと以前に可能だった太陽光発電装置を買ったり、海外の不動産を買ったりするなどの大技を検討する必要がある場合もあると思うのですが、そういうリスクが伴うことをするよりは、もっと先に出来る基本的な事があるでしょうという事です。

そして、そういう基本的な事項は社内の事なのでお客様の方がよく知っています。そういう状況を上手く引き出して聞かせてもらい、その中で出来る事を探すのが王道だなと改めて思った次第です。反省。

認可外保育園の消費税は免税です。法人税も一般社団法人にして非課税になりうります。

認可保育園の消費税は免税になります。では、認可「外」保育園の消費税はどうでしょうか。

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答えは、非課税になります。国税庁のホームページには、以下のようにあります。

「都道府県知事の認可を受けていない保育施設(以下「認可外保育施設」といいます。)のうち、一定の基準(認可外保育施設指導監督基準)を満たすもので都道府県知事等からその基準を満たす旨の証明書の交付を受けた施設及び幼稚園併設型認可外保育施設の利用料については、児童福祉法の規定に基づく認可を受けて設置された保育所(以下「保育所」といいます。)の保育料と同様に非課税とされます。」

国税庁HP

次に法人税ですが、これも一般社団法人を設立して、非課税になりうります。一般社団法人は株式会社とことなり、非営利型の組織運営が出来ます。その場合、通常の収益事業には法人税がかかるのですが、収益事業と非収益事業にわけて、非収益事業には法人税が課されません。

国税庁のHPにも、認可外保育園でも法人税が非課税となる旨の以下のような記載があります。

「その認可外保育施設が証明施設であり、監督基準に従って運営されている場合には、照会者の見解どおりで(収益事業に該当しないとして取り扱って)差し支えありません。」

国税庁HP

一般社団法人は、株式会社や合同会社と同様に通常の事業も行えるので、認可外保育をやるのであれば一般社団法人の形式を考えておくのも損がないとは思います。

Director salary cannot be raised in the middle of a fiscal year (Corporate Tax Law)

The tax law about director salary is simple, although it may look otherwise.

The law says that only fixed amount of director salary is deductible from taxable corporate income. It does not mean that you cannot change/raise your salary during a fiscal year but it only means that the raised salary will not count as deductible expense for the tax calculation.

If you are trying to raise your salary from July and if your fiscal year is from Jan. to Dec., your salary from July to December will not be counted as deductible expense for the tax purposes. For example:

Sales: 20,000,000
Your salary: 9,000,000 (1,500,000 * 6 months)
Other expense: 8,000,000

The net income will be 3,000,000 yen (20M – 9M -8M) but the taxable income will be 12M (20M – 8M).

directorsalary