みなと国際会計事務所 Accounting Intelligence blog by a CPA in Tokyo

みなと国際会計事務所 Accounting Intelligence blog by a CPA in Tokyo, tax tips, accounting, running business

居住者と非居住者の区別の仕方

time 2017/01/23

居住者か非居住者かで、税金の取り扱いはえらい違います。ですので、この区別はひじょーに重要なのです。税金の取り扱いの違いは今度書きたいと思います。

(それぞれの所得の場合の税金)
非居住者の給与の税金

非居住者の不動産の税金

居住者の定義は所得税法で決まっています。居住者とは、簡単にいうと日本に住んでいる人のことです。国内に「住所」を有しまたは現在まで引き続いて1年以上「居所」を有する個人のうち非永住者以外の者をいいます(所得税法2条)。条文ではこのようになっているのですが、この住所や居所の判定が、現実の世界では時にはっきりしなくて難しいのです。

住所や居所は税法上の概念です。ですので、一般的な感覚である住民票があるかないかや、ビザの有無では決まりません。よく183日以上国内にいたかどうかで決まる(183日ルール)とか言いますが、これも必ずしも絶対ではありません。これはどちらかというと租税条約で一部の所得の種類に使われるルールで、必ずしも日本の所得税の決め事ではないのです。

住所は、所得税では「各人の生活の本拠」を言うのであり、「生活の本拠」であるかどうかは、「客観的事実によって判定する」のだそうです(所得税基本通達2-1)。居所は住居ほどではないけど、少し本格度の下がった居場所で、出張用にワンルームの部屋を借りていたり、ホテルの一室にずっと滞在しているような場合をいいます。

私共のお客様でよくあるパターンなのですが、外国人で日本人の奥様と結婚して、日本に家があります。でも、ご主人は仕事の関係で海外に一年の半分以上いるような場合です。先日は、香港の家具付きのホテルで一年の半分を若干超える日数を住んで仕事をしていた投資銀行のお客様がいらっしゃいました。

この場合、日本の居住者になるのでしょうか、それとも、香港の居住者になるのでしょうか(A事例)?

また別の事例ですが、イギリスのお客様で、家族を本国において日本に一年を超えてホテル住まいされている方がいらっしゃいました(B事例)。

基本通達の2-2では、
「国内に居所を有していた者が国外に赴き再び入国した場合において、国外に赴いていた期間(以下この項において「在外期間」という。)中、国内に、配偶者その他生計を一にする親族を残し、再入国後起居する予定の家屋若しくはホテルの一室等を保有し、又は生活用動産を預託している事実があるなど、明らかにその国外に赴いた目的が一時的なものであると認められるときは、当該在外期間中も引き続き国内に居所を有するものとして(扱う)」とあります。
国外に出て行っても、国内に親族や財産を残していたりした場合には、再入国したら、その間の期間も居住者として扱われてしまうのです。

その他に、こんな細かい規定もあります。基本通達2-3より

国内に居住する者については、次により非居住者、非永住者等の区分を行うことに留意する。

(1) 入国後1年を経過する日まで住所を有しない場合  入国後1年を経過する日までの間は非居住者、1年を経過する日の翌日以後は居住者
(2) 入国直後には国内に住所がなく、入国後1年を経過する日までの間に住所を有することとなった場合  住所を有することとなった日の前日までの間は非居住者、住所を有することとなった日以後は居住者
(3) 日本の国籍を有していない居住者で、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年を超える場合  5年以内の日までの間は非永住者、その翌日以後は非永住者以外の居住者

慣れないと、なかなかトリッキーなので気を付ける必要があります。

答えはA事例は、当局はこれと似たようなケースで、居住者であるとの考えていました。B事例では、先の基本通達2-3(1)より、ホテルに滞在して1年を超えたところから居住者になると思われます。

****編集後記****

今日も寒かったですが、皇居まで往復で3キロ走ってきました。やっぱり少しでも体を動かすと気持ちいいです。