会計事務所の選び方

自分で仕事を始めた人は、みんなはどのように税理士を探したでのしょうか?おそらく自分や奥さんの友達とか知り合いに税理士がタマタマ?いたとか、そうでなければ知り合いで自営業やっている人に聞いて税理士さんを紹介してもらったと言うような経路が意外に多いのではないでしょうか?。私の肌感覚で限られた経験でしかないのですが、これで7割くらいはありそうです。

あとは、やっぱりネットで調べて値段がそこそこ、ホームページのイメージがまあまあだったからなんてのも多いのではないでしょうか?これが2割。

そう考えると、税理士の選び方なんてのはそんなもので、結構安易に選ばれているようにも思います。確かに税理士とか会計事務所なんてのは、どこに頼んでもそんなに変わらないでしょ?というイメージはありますね。確かにそれはそうなのですが、でも、ニーズによってはそうでもないかも知れません。

それでは、星の数ほどいる税理士の中から、どんな基準で税理士を見つければいいのでしょうか?知り合いに税理士がタマタマ居たからと言う理由だけだとちょっともったいないです。

私が税理士を探すとしたらここを見た方が良いと言う事をチェックリストにして見ました。

1. 値段。自分の商売がそんなに人と変わらないなら、別に税理士は誰でも良いと思います。普通にやる事をやっていただければOK.そうだとするなら、話がしやすいかと値段が大事でしょうか。サービスの内容が他と同じなら高い所は避けた方が良さそうです。

2 ちゃんとしてそうか、どうか。良くも悪くも個人事業的なところが多いので、その税理士の性格によってサービスの内容に振れ幅が大きいように思います。ほとんどの所はサービス業ですからきっちりしていますし、ちゃんと仕事をしてくれます。私も他の先生の仕事を引き継ぐ事がありますが、みんなきちんとやっていらっしゃいます。つまりその事務所や税理士がそれなりにきっちりしていれば、サービス自体にそれほど差がないと言うことも言えると思います。

ただ、たまにですがいい加減なところもあるので、そこは要注意です。時たまですが、引き継いで見たら貸借対照表に内容の良くわからない仮払金の残高が沢山残っていることもあります。これは社長がだらしないのが悪いのですが、他方で税理士が遠慮して内容を追求しないで先延ばししていいたら問題が大きくなってしまった、と言う場合が多いです。こう言うのは税金だけ計算できれば良いと思って仕事をしてもらうとこうなりがちで、どんぶり勘定の始まりです。自社の損益がちゃんと把握できなくなってしまうので、気をつけましょう。これは税理士が悪いと言うわけではなく、データを提供する側に問題がある事が多いのですが、税理士は少しうるさ目な人の方が長い目で見ると良さそうです。

また、外資系の子会社で、たまに海外の親会社に対する借入金とか売掛金などの親子勘定があっていないこともありますが、これは言葉によるところが大きいのと、ちょっと問題を放置しておいたら訳わからなくなってしまったと言う事が多いです。ちょっと取引を訂正してそのまた訂正なんてやると、すぐにややこしくなるので、相手と言葉がきちんと通じないと本来簡単な問題のはずが、メールの返事を放置されているうちにすぐに棚ざらしになってしまいます。こっちは語学の問題とも言えるかも知れません。

ただ、ちゃんとしてるかどうかなんて、外からはよく見えません。外からはレスポンスの速さくらいしか見えないので、それが一時が万事を表すくらいに思って、レスポンスは重視しましょう。

3 自分の事業にどのようなサービスが必要なのか。まずは税金計算なのか、給料計算をして欲しいのか、会計帳簿をつけて欲しいのか。節税の相談をしたいのか。そこの事務所が、あなたのやって欲しいことをやってくれる事務所なのかどうか?眼科の病院に行って泌尿器科のことをやって欲しいと言ってもミスマッチングです。

4 あなたに必要な専門分野に強そうと言うのも大事です。外からみてもわかりにくいと思うのですが、税理士も強い分野と弱い分野があります。普通の会社や個人の事業所得、不動産所得の場合は、みんなが知っている知識で対応できるので、そう言う意味では誰でもいいです。同性代とか、同性とか、気があうとか話がしやすいくらいの判断基準でいいかもしれません。逆に相続とか国際税務とかちょっと毛色の変わった分野は、誰でも詳しく知っているわけではありません。落とし穴もありうるので、経験がある人にお願いした方がいいと思います。

これも外からは分かりにくいのですが、少なくとも自分の得意なことはHPに書いていると思います。

5 24時間対応とかは普通の事業者には必要がないので、それを売りにしている事務所があったら、自分もそれを必要としている場合にだけ、お願いすることにしましょう。さっきの話と矛盾するようですが、コミュニケーションを売りにしている所は、逆に少し心配です。担当が変われば、コミュニケーションの取り方も変わってしまいますし、段々と忙しくなって来てレスポンスが悪くなっていく事もありがちです。

ざっとこんな感じです。税金や経理なんて皆さんの事業の中のほんの一部ではありますが、皆様が良い会計事務所に出会えますように。グッドラック!

物販業の会計はめんどくさい。でもそこに仕事のニーズとチャンスがある。

私たち会計事務所からしても、物販業は小売も卸売も共に手間がかかり、かつ、正しい数字を出すのが大変な業種の代表格です。しかし、大変だからといって、その経営状況は必ずしも十分な利益が出ていないところも多く、その状況を反映してか手数やかける時間の割には十分なフィーをいただけないことも多いです。まさに物販業の会計は、会計事務所からしても課題ではあるのです。

物販業は在庫の管理が必要なため、毎月の会計処理も手間がかかります。毎月末の在庫の金額を把握できないと売上原価が正しく計算できないので、正しい粗利益が出せないのです。ところがこの在庫の計算の仕方ですが、一つ一つの商品について、単価と期末の数量の把握が必要です。単価の計算も、個別の商品ごとに金額を把握する個別法から、平均法や先入先出法など色々あり、とても手では計算できるものではありません。商品の数が増えてくるとエクセルでも難しくなってくると思います。まさに、在庫の把握と計算は「めんどくさい」のです。

しかも、中小企業においては、在庫の管理が経営の一つの肝であったりします。輸入業などにおいては商品を注文してから手元に到着するまでに1ヶ月くらいかかることもあります。在庫が切れると注文に答えられなくなるので、売り上げを逃してしまいます。逆に在庫が多すぎると資金を無駄に圧迫します。

在庫管理は小売業においては経営の肝の一つです。しかも人間が手で計算するのでは、とてもやりきれない。これはまさにコンピュータの出番で、いかに自分のビジネスにあったソフトを使うかが大事です。

在庫管理ソフトにはいくつか有名なものがあります。私が知っている範囲でも、弥生販売、蔵奉行、PCA販売など色々あります。在庫管理は常に販売とセットになるので、請求書機能がついているものがいいと思いますが、これらは全部請求書の販売機能がついています。

また、販売管理では、売掛金の回収状況の管理や、売れ筋商品の把握、どのお客様にどれくらい売れているかなどの情報が知りたくなります。弥生販売などでもその機能はついているのですが、今度は逆にそれをきちんと使いこなしている会社や会計事務所も少ないと思います。

これらの機能はお客様に必要とされているので、それぞれのお客様のビジネスの状況に合わせて上手く提供できる会計事務所やコンサルタントにはビジネスチャンスがあるのではないかと思います。

きれいな帳簿は会社の業績をよくします。

忙しくて年中バタバタしていて利益の出ていない会社は自分の業績管理ができていない場合が多いです。こう言う会社は帳簿がきちんとつけられていないことが多いです。

私も経験があるのですが、忙しいと記録をつけることがめんどくさくなります。そうすると、どの仕事が利益が出ていて、どの仕事が利益が出ていないのかわからなくたって、とりあえずどの仕事も受けるみたいになって、仕事の量にアップアップになってしまうんですが、とりあえず頑張ってその場を乗り越えてなんてやってずうーっと忙しいままになってしまいます。

会計記録は、自分や他のスタッフの給料、社長の経費の使いなどあまりおおっぴらにしたくない秘密のかたまりです。 なかなか人に任せられません。身内であってもなかなか大変です。ましてや社員の方に任せるなんて!

それでも人に任せてしまうのがいいのです。そして、中身を定期的に確認すること。そして実際にそのデータを使うこと。定期的な売り上げは少しずつでも増えているのか、減っているのか、人件費はどうか。単発的な利益で赤字をかろうじて免れているのか、月次の売り上げできちんと利益が出る体制になっているのか。

売掛金の回収はちゃんとできているか、キャッシュフローの見通しはどうなっているか。数ヶ月先に大きな借入金の返済はないか。

売り上げや経費は予算どうりか、予算どうりでないとすれば理由は何か。理由がわかったとして、打つ手はあるのか、ないのか、実際には何をすればいいのか。

見ての通り会計記録は、経営のかたまりです。数字を見ると経営が見えてきます。

人数が2−3人を超えてきて経営をきちんとやりたいと思ったら、業績をみて利益をきちんと出したいと思ったら、会計記録をきちんとつけるのは思わぬほどに効果があるかも知れません。

自営業やフリーランサーにとってのこれからの会計サービスを考える

これからの会計サービスを考えてみました。

色々な需要があるので進むべき道は当然これに限らないとは思うのですが、将来有望な一つの方向性ではないでしょうか?

ガソリンスタンドやカフェではセルフサービスが当たり前になりました。カフェでも至れり尽くせりのルノアールのようなところも人気ですが、昔の喫茶店のようなところはセルフサービスのスタバやドトールのようなカフェにだいぶ淘汰されてしまいました。

お金を出してコテコテのサービスを受けるという発想は、一昔(10年くらい?)前まではメジャーだったように思いますが、今はそれほど受け入れられている考え方ではありません。自分で出来ることは自分でして無駄なコストは節約し、その浮いたお金を別のことに使いたいというのは当然の発想のようにも思えます。

セルフサービスのガソリンスタンドやカフェが主流となっているように、会計サービス自体にもセルフに大きな時流があるのではないかと思います。私たち会計事務所をやるものにとっては、単純な労働で日銭を稼ぐことが難しくなっているのは間違い無いでしょう。

昔ながらの会計事務所の仕事のやり方で、領収書や通帳のコピーをお客さんからもらってきて会計ソフトに入力し、10日後に完成した試算表を返すというサービスも昔の喫茶店のようなビジネスモデルになってきているのかもしれません。会計事務所は一般的な喫茶店に比べるとメニューはもう少し複雑で、臨機応変さが必要なのでむしろレストランに近いようには思います。個人商店のレストランがチェーン店のレストランに席巻されてなくなってしまうことは、おそらく当面はないでしょう。チェーン店には真似のできない色々な個性のお店が日本中に星の数ほど活躍しています。そういう意味では、今までの古い会計事務所の業態もまだまだ大丈夫で、すぐに無くなることはないのではと思います。

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ところで、会計サービスをどこまでセルフサービスでできるかですが、実は、会計仕訳もごく限られた種類の取引しかありません。それらをカバーできると実は会計仕訳のほぼ全部99%くらいをカバーできるのではないかと思います。それらは、下記の、

売り上げ(請求書の発行アプリみたいなもの?)
支出(会計簿の支出を記録するアプリを少しパワフルにしたもの?)
給与(源泉所得税も)
固定資産(減価償却)

くらいなものでしょう。

つまり言葉を変えると、たったこれだけシンプルなアプリ(4種類!)を作ると、会計サービスのうちかなりの部分をセルフでやっていけるようになってしまうということです。

税務会計サービスは税法という法律の相談という面があるので、専門家が必要であることは間違いありません。法律には現実世界に起こりうる全ての細かいことを条文や通達で明示できているわけではありません。ですので、あくまで曖昧な部分があり、どのように認定するかという部分が残るのです。ここは税理士などの専門家に頼るべき部分ではあるとは思います。

また、アプリではできない、消費税の課税選択や簡易課税と原則課税の選択など、専門家に見て欲しい部分は沢山あります。これらの判断に関連する部分はちょっとアプリには無理なので、ずっと残っていくことでしょう。

しかし、属人的な喫茶店がカフェに淘汰されたように、会計事務所にも同じような事が、これからどんどん起きるのではないかと思います。

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私どもの事務所でも、昨年から、レシートや領収書の写真から、ネットの会計ソフトに入力を代行するサービスを初めました。

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ですが、今後は、会計事務所がコストをかけて入力するサービスを提供するというよりは、請求書を発行したら自動的に会計ソフトに取り込まれるようなもっと事業主が自分でできる部分はできるだけ自分でやるか、ITを使った自動化するような方向に進化させていく必要があるのかも知れません。

世の中はどんどん進歩していくので、自分もどんどん変化していかなくてはなりません。ビジネスの世界はなかなかしんどいものではありますが、面白いものでもありますね。